野村総合研究所(NRI)は2019年10月2日、国内のデジタル化の進展度を測る2種類の新指標を提唱すると発表した。提唱したのは「GDP+i」と「DCI(Digital Capability Index)」。

新たな経済指標について発表する、野村総合研究所の此本臣吾会長兼社長
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 GDP+iは国内総生産(GDP)に、デジタルサービスが生み出す消費者余剰(消費者がサービスに対して支払っても良いと感じている対価の最大値と実際の購入価格との差分)の総和を足し合わせたもの。消費者がデジタルサービスを活用した生活に対しどのような実感を持っているかを表せるとする。NRIの試算によると、日本における2016年のデジタルサービスによる消費者余剰は161兆円。また主要SNSが国内で生み出す消費者余剰は、LINEが6.9兆円、Facebookが5.2兆円、Twitterが4.7兆円、Instagramが3.2兆円という。

 DCIは国内のデジタル化の進展度を最大値100で指数化したもの。インターネットの利用頻度やSNSの利用者比率などを基に算出する「ネット利用」が30、行政手続きのオンライン対応比率や自治体間のシステム共同利用の比率などを基に算出する「デジタル公共サービス」が30、スマホやタブレット、パソコンの保有率や光回線の普及率などを基に算出する「コネクティビティ」が20、情報処理技術者試験の合格者数や自治体職員における情報化人材の比率などを基に算出する「人的資本」が20という比重で足し合わせる。

 NRIの此本臣吾会長兼社長は「1人あたりGDPが2万ドルを超えると、それ以降はGDPだけを追い続けても生活満足度は上がりにくくなる。国民の生活満足度を向上させるには、デジタルによる生活者の豊かさの向上を目指す必要があると考えた」と新たな指標を提唱する理由を説明した。