NTTドコモと東海旅客鉄道(JR東海)は2019年9月30日、東海道新幹線の走行中の車内で第5世代移動通信システム(5G)の実験に成功したと発表した。車両側の端末と沿線3カ所に設置した基地局との間で連続してハンドオーバーしながら、時速283kmで走行中に1Gbps超で通信した。

東海道新幹線の線路付近に設置された5Gの実験用基地局
(出所:NTTドコモ)
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 実験は2019年8月24日~9月7日に富士市内の三島駅~新富士駅間で実施した。周波数は28GHz帯を使用。帯域幅は700MHz幅で、総務省が通信各社に割り当てた400MHz幅より広くなっている。

 基地局は96素子のアンテナを備え、線路に沿って3カ所に設置した。いずれも線路から100m離れており、基地局1と基地局2の間隔は400m、基地局2と基地局3の間隔は500m。「3つの基地局により、線路上の全長1.2kmの区間を5Gのエリアとした」(NTTドコモ)。同区間においてN700S系の試験車両が時速283kmで走行。車両の窓側席に32素子×2面のアンテナを備えた5G端末を設置して実験した。

 結果、同区間を15秒で走り抜ける車内において5Gのデータ通信を12秒間確立。最大通信速度は1Gbpsを超えた。さらに車内に設置した4Kカメラの映像を端末から基地局へライブ中継する伝送実験と、8K映像を基地局から端末へダウンロード配信する伝送実験にも成功した。

 NTTドコモによると、時速200km以上で走行する高速鉄道内で5Gを使い、1Gbps以上で通信したことと連続ハンドオーバーを実現したことは世界初。高速鉄道内の5G実証実験における4K映像のライブ中継、8K映像のダウンロード配信も世界初としている。