AIトイレが便の形や大きさを判定、LIXILが初公開

2019/09/27 06:00
高橋 厚妃=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 LIXILは2019年9月25日、AIを活用し高齢者施設の入居者の便の形状や大きさを自動で判定するシステムを研究開発していることを発表した。第46回国際福祉機器展(2019年9月25日~27日開催)で初めてコンセプトを説明。今のところ商品化の予定はないとしている。

LIXILが研究しているAIトイレ。便器の右上部分にLEDとカメラが設置されている。
(写真:日経 xTECH)
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 便座の裏にカメラとLEDが設置されたトイレを利用する。利用者が便座に座ると、暗がりを検知してLEDが自動で点灯。排便後の便をカメラで撮影する。硬いコロコロとした便や液体状の便など7分類のいずれかに判定する。この分類は、国際的に利用されている便の形状を示す指標「ブリストルスケール」を基にしたもの。1秒かからないほどの早さで便の形状の他にも大きさを判別する。判定結果は、スタッフがパソコンやタブレットで確認できる。「我々が知るところでは、このようなコンセプトは初めてだ」とLIXILの理事でLIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN デザイン・新技術統括部 統括部長の白井康裕氏は話す。

判定結果のイメージ
(写真:日経 xTECH)
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記録したデータをまとめて表示させることも可能
(写真:日経 xTECH)
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社員の協力で約3000枚の便画像

 判別するアルゴリズムの構築には大量の画像データが欠かせないが、一般的に便の画像は得にくい。今回LIXILは、同社の複数の社員の協力を得て約3000枚の便の画像を収集した。便の画像認識については、カメラで撮影する角度を調整したり、様々な状態の便を認識させたりすることなどに苦労したという。これまでに80%以上の判定精度まで高めてきたが、2020年春ごろに高齢者施設で実証実験を行い、技術を確立する予定。

 高齢者は腸の動きが低下するため便秘になりやすく、腸閉塞につながる可能性がある。一方で、下剤を投与すると下痢が続くことがあり、脱水症状のリスクが高まる。そのため高齢者の健康管理の一環として、排便を管理する高齢者施設は多いという。今は、スタッフが直接入居者の便を確認したり、話を聞いたりして手書きで記録しているのが現状だ。「健康と同時に入居者の尊厳を大切にしたい」と考える施設もある。「便についてスタッフに聞かれるのは恥ずかしいと思う入居者もいると思う。健康管理のサポートのために何とか技術で解決できないかと考えて研究プロジェクトをスタートした」と白井氏は話していた。

LIXILの理事でLIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN デザイン・新技術統括部 統括部長の白井康裕氏
(写真:日経 xTECH)

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