日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長は2019年9月19日の定例会見で、NHKが9月10日に発表した「インターネット活用業務実施基準(素案)」について、「肥大化の懸念は残る」と危機感をあらわにした。

 NHKは現在、受信料収入の2.5%をインターネット活用業務の費用上限としている。2019年度中に常時同時配信の開始を予定し、今後もこの水準を維持するかどうかが焦点となっていた。

 NHKは9月10日に発表した実施基準素案で、常時同時配信および見逃し配信を含む「基本的業務」と、これとは別枠扱いとする4項目について、それぞれ上限を設定。常時同時配信などを含む基本的業務については従来のインターネット活用業務と同様、受信料収入の2.5%を上限とした。だが、別枠扱いとする4項目における費用上限の合計額を基本的業務の費用上限に上乗せすると、受信料収入の2.5%を大きく上回る。

 民放連の大久保会長は、NHKが基本的業務と別枠の4項目に分けて費用上限をそれぞれ設定することについて、「この枠組み自体は抑制的な管理運営を行うためのものと理解している」とした。一方で、「基本的業務とは別枠の4項目についてそれぞれ上限まで費用をかけることになれば受信料収入の2.5%を大きく上回り、事業規模は相当大きなものになる」と懸念を示した。

 さらに「NHKのインターネット活用業務については、公共放送の目的と使命に照らして、本当に必要なのか、適正な規模なのか、既存業務の大胆な見直しを行ったのか、民間企業と競合しないのか、といった観点から、常に見直すべきだと考えている。それなしでは、肥大化や民業圧迫の懸念がなお残っていると危惧せざるを得ない。引き続き、NHKの動向を注視していきたい」とした。