無線通信市場の調査とコンサルティングを手がける米Signals Research Group(SRG)は2019年9月9日、5G NRに関するベンチマーク調査結果をまとめたレポート「5G: The Greatest Show on Earth! Vol 6: Unplugged!」の概要を自身のサイトで公開している(SRGの「5G: The Greatest Show on Earth! Vol 6: Unplugged!」紹介サイト)。第6弾となる今回のレポートは、5G通信とLTE通信時のスマートフォンのエネルギー利用効率を比較する内容となっている。このレポート自体は有料だが、プレビューシートは上記サイトから登録することでダウンロード可能となっている。

 今回の調査で使われたスマホは、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の「Galaxy S10」。使用するネットワークは米Verizon(ベライゾン)のミリ波対応5G NR無線ネットワークとLTEネットワーク(関連記事)。調査はミネソタ州ミネアポリスにて実施されている。

 手法としては、無線ネットワーク測定ツール「XCAL-Solo」をスマートフォンに取り付けて性能を測定し、データ通信中のスマホのバッテリー電流を計測する形がとられている。通信速度は、(1)最高速度、(2)30Mビット/秒、(3)5Mビット/秒である。

 今回の調査内容のハイライトは以下の通り。

 ・それぞれのネットワーク環境下で対応可能な最高速度で通信した場合、5G NR通信の方がLTE通信よりエネルギー効率が高い。低速な5G NR通信や米国の平均的なLTEユーザーの通信速度より大幅に速いLTE通信と比べても5G NR通信時のエネルギー効率の方が高い。

 ・インターネット上のWebサイト閲覧や動画チャットといった比較的低速な通信の場合、LTE通信の方が5G NR通信よりエネルギー効率は高い。

 ・5G NRのエネルギー効率の良し悪しと、スマホのバッテリー寿命には、著しい関連性はない。バックライト機能やVoLTEといった機能による影響の方がずっと大きい。

 ・スマホに必要なバッテリー容量については、日常的なデータ通信や音声通話、その他の機能操作を実際に行った結果と理論値との比較を試みた。理論的には一般的な平日の1日で4400mAhのバッテリーを使い果たすという結果になるが、実際には、極端に酷使しない限り使い果たすことはない。

出所:SRG
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