三菱重工業は、種子島宇宙センター(鹿児島県・南種子町)で2019年9月11日午前6時33分に予定していたロケット「H-IIB」8号機(H-IIB・F8)の打ち上げを中止した。同日午前3時5分ごろに、移動発射台の開口部側面において火災の発生を確認したため。現時点で原因は不明である。原因調査や機体・設備への影響の確認に時間を要することから、同日午前4時17分に打ち上げの中止を決定した。

打ち上げ直前のH-IIB 8号機(出所:三菱重工業)
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 火災があったのは、エンジンの噴煙などを外部に排出するための開口部。あらかじめ耐熱材が塗布されていた。今回の移動発射台は、H-IIBの1~7号機にも使用したもの。火災による打ち上げ中止は初めてだという。

 H-IIB・F8は、宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機(HTV8)を搭載していた。HTV8は、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士の長期滞在に必要な食料や生活物資、窒素/酸素、飲料水の他、ISSバッテリーや、日本の実験棟「きぼう」での技術実証に使う各種実験装置などを輸送するミッションがあった。今回の打ち上げ中止で、ISSにおける物資やバッテリーの運用に直ちに大きな影響は無いという。

こうのとり8号機(出所:宇宙航空研究開発機構)
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 今後、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が原因調査を進める。再打ち上げは、原因の究明および再発防止策の確立後となる見込み。H-IIB・F8の打ち上げ予備期間は2019年9月12日~10月31日に設定されているが、期間中に再打ち上げが可能かどうかは現時点では不明である。三菱重工業は、「1~2日での再打ち上げは難しい」という見通しを示している。一方、HTV8については、1カ月程度の延期であれば、HTV8側の積み替えや積み直しなどは不要だという。