東京メトロは2019年9月10日、フィリピン運輸省職員11人を対象に実施している鉄道事業についての研修の様子を公開した。フィリピンは大型鉄道網の整備や既存線区の改修を進めており、鉄道の運営や保守に当たる要員を増やす必要から国立の鉄道訓練センターPRI(Philippine Railway Institute)を設立する予定で、その設立に当たるアネリ・ロントック(Annieli R. Lontoc)次官以下11人が来日して研修に参加。同日は運転士の事務所での座学と見学の他、丸ノ内線(中野坂上-方南町間)の運転席に添乗し、運転士の動作などを見学した()。

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図 東京メトロがフィリピン運輸省職員を対象に実施した研修
左は乗務員が乗務開始前に申告する様子の見学(丸の内乗務管区中野運転事務室)。右は運転室に添乗して見学する様子(方南町駅)。(写真:日経 xTECH、2枚とも)

 フィリピンでは鉄道要員が現在4000人程度だが、これを今後10年間で2万人規模にまで増やす必要があるという。そのためフィリピン政府は、これまで鉄道事業者がそれぞれ担っていた鉄道要員の基礎教育を集約することになり、PRIを設立する。来日したのはPRIの運営・監督を担う予定の職員で、2019年9月9~13日までの5日間に列車の運行状況や車両基地、軌道や電気・信号などの保守の現場などの実務を視察・実習する。東京メトロでの集合研修は今回が2回目で、今回と一部重複するメンバー13人が2019年7月にも来日している。2020年後半には2~3カ月の予定で、それぞれの現場でOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を実施する計画もあるという。

 PRIは2019年内にフィリピンでの研修を開始する予定。東京メトロは今回のようなPRI職員に対する日本での研修実施に加え、PRIでの研修カリキュラム(2カ月間)の作成も手掛ける。

 今回の研修は「フィリピン鉄道訓練センター設立・運営能力強化支援プロジェクト」の一環。同プロジェクトは2018年5月14日~2023年6月30日の予定で、国際協力機構(JICA)から東京メトロ、オリエンタルコンサルタンツグローバル(本社東京)、アルメックVPI(本社東京)の3社が共同で受注した。