スウェーデンEricsson(エリクソン)は2019年9月4日、世界初とする動的周波数共有技術(Dynamic Spectrum Sharing、DSS)を使った5Gデータ通信試験を実施したと発表した(Ericssonのニュースリリース)。DSSは、4G用に確保した周波数帯のうち、4Gが使用していないものを動的に検出し、5G通信に用いる技術。既存の資産を使うことで、低価格かつ短期間で5Gサービスを開始できると同時に、LTEと同規模の地域サービスを迅速に展開できるという利点がある。

出所:Ericsson
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 今回は、同年8月初旬にカナダオタワにあるEricsson実験施設に、同社4G/5G対応商用無線システムと、米QualcommのSnapdragon X50 5Gモデム(関連記事)、RFシステム搭載の5G試験端末、市販のLTE対応スマートフォンを用意。3GPP FDD(Frequency Division Duplex)の低周波数帯を共有する形で進められた。Ericsson の商用無線システムにて「Ericsson Spectrum Sharing software」をアップグレードすることで、DSS用のスケジューリングアルゴリズムが適用され、既存の設備でLTEと5G NRの同時運用が可能となるという。

 従来、2Gから3G、3Gから4Gへと新世代の技術に対応するためには、新しい周波数帯の購入や、所有済みの周波数帯の見直しなど、何らかの形で新しい周波数の確保が必要となった。しかし、今回のDSSを使えば4Gと5Gを既存の同一周波数帯で、ユーザーの使用状況に合わせて動的に割り当てを切り替えながら使うことができ、低価格、かつ、短時間での5G対応が可能になる。

 同社は、このDSSと同時に、もう一つのソリューション、低周波数帯と中周波数帯、あるいは低周波数帯と高周波数帯のアグリゲーションで5G NRのカバレッジ拡張を実現する「Inter-band NR Carrier Aggregation」も紹介。まずはDSSで低周波数帯での5Gサービスを開始し、その後、このアグリゲーション技術で、中周波数帯や高周波数帯の5G NRと併用することで、屋内やセルエッジ部でも数百メガビット/秒を実現するサービスを実現できるとしている。

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