日本貿易振興機構(ジェトロ)は2019年8月28日から30日まで、パシフィコ横浜で「日本・アフリカ ビジネスフォーラム&EXPO」を開催した。第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の併催イベントで、アフリカ市場進出を目指す日本企業が出展した。

 アフリカは米国や英国、フランスに続いて中国も直接投資額を急速に増やしているほか、現地発のスタートアップが多く誕生し、米欧中との連携を模索している。日本企業はやや出遅れているが、従来の主要プレーヤーだった総合商社に加えて国内スタートアップが相次ぎ進出している。

日本発のスタートアップがアフリカに進出

 筑波大学発のスタートアップとして2016年に創業したワープスペースは同イベントで、ジンバブエ高等教育・科学技術発展省のアモン・ムルウィラ大臣と今後の技術協定に関する確認文書を取り交わした。

左からワープスペース常間地悟CEO(最高経営責任者)、ジンバブエ高等教育科学技術発展省のアモン・ムルウィラ大臣、Double Feather Partnersの武藤康平代表取締役
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 同社は人工衛星向け小型地上局の開発などの通信インフラ事業を運営している。これまでに計2機の超小型人工衛星を打ち上げた実績があり、今後は農業や物流、地下資源探査などを支援する事業にも取り組む。既にジブチやルワンダの国営通信企業とMOU(了解覚書)を結んでおり、ジンバブエを含めてアフリカへの進出を狙う。

「SHS」への出資や提携相次ぐ

 日本・アフリカビジネスフォーラム&EXPOに出展した総合商社の多くは、現地企業への出資や業務提携を積極的に進めている。

 丸紅は2019年5月、アフリカ市場で太陽電池や蓄電池、テレビやラジオなどの家電から成る「ソーラー・ホーム・システム(SHS)」の販売を手掛ける英アズーリ・テクノロジーズ(Azuri Technologies)に出資し、筆頭株主になった。アズーリが提供するサービスはモバイル端末を通じて支払った分だけ電力を使えるもので、支払いが滞った場合は遠隔操作で製品の機能を停止できる。

丸紅の展示ブース。出資先の英アズーリは蓄電池や太陽光パネル、LEDライト、ラジオ、テレビ、灌漑(かんがい)用ポンプ、扇風機などの割賦販売を手掛ける
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 今回、丸紅はアズーリのSHSを展示した。丸紅は2018年に出資した低所得者層向けのSHS販売事業を手掛ける国内スタートアップのWASSHA(ワッシャ)とともに、アフリカにおける顧客層を拡大する方針だ。

WASSHAは太陽光パネルや充電関連機器、LEDライトの無償貸し出し、充電権利の販売などを手掛ける
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 三菱商事も2019年8月28日、SHS販売事業を手掛ける英ビーボックス(BBOXX)への出資を発表した。今回のEXPOではビーボックスの電灯やラジオ、バッテリー、テレビ、充電関連機器などを公開した。このほか国内商社によるSHS事業への取り組みとして、2018年に三井物産と住友商事がケニアのエムコパ(M-KOPA)に出資している。

三菱商事は出資先である英ビーボックスの製品を展示した
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