サイベックコーポレーション(本社長野県塩尻市、以下サイベック)は、米MSCソフトウェア(MSC Software)の成形加工シミュレーションソフト「Simufact Forming」(関連記事)を活用し、超精密金型の納期短縮とコスト削減を実現した。MSCの日本法人であるエムエスシーソフトウェア(本社東京、以下MSC)が発表した(ニュースリリース)。超精密金型の製品実現性の検討やプレス工程の設計に同ソフトを利用して計算時間を短縮。多工程成形を解析できるようになったという。

 具体的には、塑性フローや成形実現性、応力分布、内部ダメージなどのプレス成形解析、さらに成形加工の荷重計算を同ソフトで実行する。これによって計算時間を、同ソフトを導入する以前の1/4〜1/2程度に短縮。従来、1週間に検証できるのが2〜3ケースだった解析に同ソフトを用いることで、10ケース以上の条件を検証できた。特に金型除去(スプリングバック)時の計算では、従来は成形解析とは別に計算を立ち上げて12時間以上かかっていたケースが、成形解析と同時に数分で解けるようになったとしている。

 計算時間の短縮によって、これまで時間の都合から断念していた多工程成形の解析が可能になる。より多くの条件で解析して、最も結果の良かったものを金型にフィードバックもできる。その結果、納期の短縮と精度の向上、さらにはコスト削減にもつながったという。目視できない金型内での塑性流動を把握し、製品の機能に影響を及ぼしかねない欠陥や成形不足を事前に検討できるのも利点とする。

 サイベックは、順送加工と冷間鍛造を組み合わせたCFP(Cold Forging Progressive)工法を核として、超精密部品の金型開発・製作とプレス加工を展開している。高精度な製品をプレス成形する際、従来は試作金型を使って試行錯誤しながら製品検討や工程・金型設計を進めていた。そのうちプレス工程設計における鍛造成形解析と加工荷重計算にはMSC以外のプレス加工用CAEを使用していたが、操作・設定が複雑で解析専任者にしか使えない上、解析に長時間かかるのが課題だった。そこでサイベックは、プレス成形解析に特化したCAE環境の見直しを図り、Simufact Formingを導入したという。

 同社は今後、同ソフトをサイクロイド減速機の構造解析シミュレーションと融合させることも検討する。例えば、サイクロイギアをプレス成形したときの応力や変形を減速機の機構解析へフィードバックできるシステムが考えられる。