ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)は2019年8月29日、ディーゼルエンジン車のNOxを大幅に削減する技術「Twin Dosing」を開発したと発表した。2018年以降、同社のディーゼルエンジン車にはSCR(選択的還元触媒)を搭載している。Twin Dosingは、SCRシステムの進化版で、SCR触媒を直列に二つ配置し、それぞれの上流で尿素剤を添加するというもの。

2カ所から尿素剤を注入する新触媒システム
(写真:Volkswagen)
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 これまでの排ガス後処理システムでは、ディーゼル酸化触媒コンバーターの後ろに尿素SCRを配置していた。今回のシステムでは、SDPF(選択還元触媒を表面コートしたディーゼル・パティキュレート・フィルター)を使い、その後ろに尿素SCRを配置した。SDPFと尿素SCRを組み合わせることで、コールドスタートの直後でも浄化率が高い温度まで迅速に達するという。さらにもう一つ尿素SCRを直列に配置し、その下流に過剰なアンモニアを除くブロッキング触媒コンバーターを置いた。

 エンジンから出てすぐの排ガスは500℃以上になるが、エンジンからの距離がある2番目のSCRコンバーターでは排ガス温度が上流より100℃ほど低くなる。これにより排ガス後処理能力が高まる。浄化率が90%を超える理想的な排ガス温度は220~350℃だと言われているからだ。高速で長時間運転したり、フル積載車やトレーラーが上り坂走行を続けると、排ガス温度は350℃を超えてしまうが、今回のTwin Dosingシステムでは浄化率が低下しないという。

 同社は、Twin Dosingシステムを新しい「Passat 2.0 TDI Evo」に搭載した。これにより新しい欧州排ガス基準「Euro 6d」に適合できたという。RDE(実走行での排ガス試験)の測定値では、従来モデルと比べてNOxを80%削減できたという。今後、Passatだけでなく2.0 TDI Evoエンジンを搭載したすべてのモデルにTwin Dosingシステムを導入する計画だという。また、まもなく発表される新型「Golf」のすべてのTDIエンジン搭載車にもTwin Dosingシステムを採用する。