エコー検査の自動化ロボをベンチャーが開発、妊婦の身体的な負担軽減目指す

2019/09/03 17:00
野々村 洸=日経 xTECH/日経コンピュータ

 妊婦向けロボットを開発するInowaは2019年9月3日、妊婦腹部のエコー検査を自動化するロボット「Tenang」を「第37回 日本ロボット学会学術講演会(RSJ2019)」で発表した。エコー検査できる施設を増やし、妊婦が遠くの病院まで行く身体的な負担軽減や産科医の人手不足解消などを狙う。2020年度内に臨床試験向け製品モデルの完成を目指す。

エコー検査を自動化するロボット「Tenang」のデモ
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 デモンストレーションではロボットが妊婦腹部を模した模型を自動検査する様子を披露した。ロボットハンドがエコーの検査装置を把持し、ロボットハンド上部のアクチュエーターで腹部水平方向の位置を決める。ロボットハンドは腹部に沿って自由に動く構造だ。

 同社はアクチュエーターを腹部水平方向だけに使うよう工夫した。「腹部水平方向以外にアクチュエーターが存在しないため、ロボットハンドが上下に動きやすく、腹部を押す(垂直方向)過剰な力が発生しづらい」(同社の今村紗英子社長)。腹部垂直方向に掛かる力はロボット内に設置する重りの質量と、ロボット自体の自重を利用している。質量を調整し、エコー検査の画像が鮮明に映る力加減を可能にした。

 検査装置を把持するロボットハンドの動かし方も工夫した。ロボットハンドが腹部を横断・縦断するように直線走行すると、腹部にかかる負荷が大きくなったり画像が不鮮明になったりする問題があった。同社はロボットハンドを腹部表面でらせん状に動かして検査装置が最適な角度で腹部を走行できるようにして、直線走行で発生する問題を解消した。

直線走行、らせん上方走行の比較データ
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 Inowaはエコー検査の画像を利用し、深層学習(ディープラーニング)で高精度に胎児位置を推定できる技術も保有する。今後は深層学習に有用な画像の蓄積やネットワークの構築などを進め、より高精度な胎児位置の推定を目指す。

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