三菱電機は矢印や文字、図形などのアニメーションを、プロジェクターで通路の床に投影して円滑に人を誘導する「ダイナミックサイン」の実証実験を武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で開始した(図1)。2019年8月29日~9月1日に開催された車いすバスケットボール日本代表の国際強化試合の会場で実施した。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの活用を目指す。

図1 三菱電機が公開した「ダイナミックサイン」
プロジェクターで通路の床に文字や図形を表示させて人を誘導する。アニメーションで矢印を動かすことで、視認性が上がるとする。
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 ダイナミックサインは、動きを伴うアニメーションで進行方向や、エレベーター、エスカレーターなどの場所を案内する。図形やイラストに動きを伴うことで、視認性が高まる効果があるとする。さらに、表示内容を簡単に変えられるため、イベント当日、実際の人の流れを見て動線を変えるといった対応ができる。コンサートやスポーツなど多様なイベントがあり、そのたびに人の動線が変わるようなアリーナや、時間帯によって人の流れが変わる駅などの公共施設に向く。三菱電機は2017年に同社の研究開発成果披露会でコンセプトモデルを展示していた(関連記事:床にアニメを投影して案内、三菱電機がコンセプト展示)。

 今回の実証実験場となる会場内に設置したプロジェクターは、市販されている他社製品(図2)。三菱電機が製作した筐体(きょうたい)内に、他社製の短焦点プロジェクターを納める。筐体は、通路が分かれている場所や、階段やエスカレーターといった参加者が迷い安い場所に設置していた。

図2 会場に設置したプロジェクター
三菱電機製の筐体内に他社製のプロジェクターを納める。
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 さらに、効果の検証用にプロジェクターを納めた筐体の近くにカメラを設置している(図3)。ダイナミックサインに対する来場者の反応や、来場者の視線の方向を計測に利用する。

図3 効果検証用に設置したカメラ
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 三菱電機はダイナミックサインの国際標準化にも取り組んでいる。現在、国際標準化機構(ISO)にワーキンググループを設置済みである。「今後3年くらいで規格化したい」(同社 デザイン研究所 産業システムデザイン部長 兼 ビルシステムグループマネージャーの長堀将孝氏)という。

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