エフエム東京は2019年8月21日、2017年3月期~2019年3月期連結決算に関連して、第三者委員会から「会計基準や会社法などの法令に違反する行為が、エフエム東京の当時の会長および社長の指示または了承の下、i-dio事業(V-Lowマルチメディア放送事業)に関与する多数の役職員によって組織的に行われていた」などとする報告があったと発表した。

 エフエム東京は2019年5月29日付で、過年度決算における連結対象範囲の判断などについて会計上および内部統制上の問題が発覚し、第三者委員会を設置して調査を実施すると発表していた。第三者委員会による調査の結果、子会社の赤字を隠すための不適切な株式異動や会計処理が行われていたことが明らかになった。

i-dio事業の不振が引き金に

 法令違反行為の舞台となったのは、TOKYO SMARTCAST(以下、TS社)である。同社は、V-Lowマルチメディア放送事業を統括するジャパンマルチメディア放送(JMB)などとは別に、同放送においてコンテンツを提供する事業者としてエフエム東京などが出資して設立した子会社である。

 第三者委員会は、当時エフエム東京社長を務めていた千代勝美氏が知人の企業にTS社の株式を購入してもらい、エフエム東京のTS社の持ち株比率を下げ、不振にあえぐ同社を連結対象から外していたなどと認定。こうした株式異動は実態を欠くとしてTS社を連結対象として決算に組み込むことを求めた。

 このほか、エフエム東京の指定金銭信託契約に基づいて行われたTS社に対する貸付、エフエム東京とTS社との取引全般(広告代理業務など)について、さまざまな問題点を指摘した。

 第三者委員会は、今回の不正な行為が行われた動機として、i-dio事業に多額の投融資を行い、積極的に事業を推進してきた経営陣の責任が問われることを回避するためだったと結論づけた。再発防止に向けて、経営陣の刷新(2019年6月25日のエフエム東京定時株主総会において経営陣の刷新が図られたことは評価)、i-dio事業に関する情報共有の強化、取締役会などの監督機能の強化など6項目を提言した。

 エフエム東京は修正した過年度と2019年3月期の連結決算を9月下旬をめどに公表する予定だ。