東芝と金沢大学、AIで糖尿病性腎症の重症化を予防

2019/08/22 06:00
近藤 寿成=スプール

 東芝と東芝デジタルソリューションズ、金沢大学 医薬保健研究域医学系の和田隆志教授らの研究グループは、糖尿病性腎症の重症化メカニズムの解明によって精密医療の実現を目指す共同研究を開始した。

共同研究で目指す糖尿病性腎症患者の重症化パターン別の予防法開発(出所:東芝、東芝デジタルソリューションズ、金沢大学)
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 長期経過観察をともなう腎生検で診断した、金沢大学が持つ糖尿病性腎症例の臨床・病理情報を用いて、金沢大学の医学的な知見と東芝デジタルソリューションズのアナリティクスAI「SATLYS」を活用する。これにより、糖尿病性腎症の重症化メカニズムの解明を目指した研究開発を進める。

 日本は台湾に次ぐ世界第2位の人工透析大国であり、透析患者数は約33万人、その割合は国民の約380人に1人に及ぶ。なかでも、糖尿病性腎症に起因する透析患者数が最も多く、全体の4割以上を占める

 人工透析が必要になると透析治療によってQOLが低下するだけでなく、1人当たりで年間約500万円の医療費負担、国全体では年間約1.6兆円の公的医療費が必要となる。そのため、糖尿病性腎症の重症化を予防することは健康寿命を延ばすだけではなく、医療保険財政の健全化につながる。

 東芝グループは、「超早期発見」「個別化治療」を特徴とした精密医療を中核とする医療事業への本格的な再参入を、「東芝Nextプラン」で表明している。アナリティクスAI「SATLYS」によって糖尿病性腎症患者を複数のパターンに分けることで、層別化・体系化された最適な予防法の開発が期待される。これにより、疾患の早期治療・進展予防、さらには病状の悪化を防ぐ可能性を見い出し、患者のQOL向上を目指す。

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