三菱電機は、ビルや工場向けの空冷式ヒートポンプチラーの新製品として、外気吸込温度が52℃でも冷房運転できる「DT-RIII」シリーズを2020年春に発売する(図1、ニュースリリース)。猛暑や都市部のヒートアイランド現象によって設置場所の外気温が高くなっても、冷房運転を継続できる。

図1:「DT-RIII」シリーズ(4台連結時)(出所:三菱電機)
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 新シリーズの熱交換器では、扁平な形状のアルミ合金製配管を採用している。扁平な配管は、断面が円形の一般的な配管に比べて風の通りを維持しながら配管本数を増やせるので、フィンと配管の接触面積が拡大して熱交換効率が高まる(図2)。これによって冷房運転時の外気吸込温度の上限が、従来機種「同II」の43℃から9℃向上した。

図2:従来(左)と新シリーズ(右)の熱交換器の配管形状(出所:三菱電機)
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 冷媒にはR32を用いる。R32の地球温暖化係数は675で、同2090のR410A冷媒よりも環境負荷を抑えられる。さらに、アルミ扁平管熱交換器の採用によって冷媒封入量を従来比で約33%(二酸化炭素換算値で約78%)削減。新型のインバータースクロール圧縮機の搭載によって、エネルギー消費効率(冷却COP)を3.06〜3.69としている。

 モジュール1台の外形寸法は、高さ2350×幅1080×奥行き3400mm。上記の圧縮機の搭載によって、同サイズで40〜70馬力をそろえた。例えば280馬力相当のシステムを組む場合、70馬力のモジュールを4台設置すれば、40馬力のモジュール7台を設置するのに比べて設置スペースを約43%減らせる(図3)。それに伴って配管などの付帯設備も減らせるので、設備コストや工数の削減も図れる。

図3:省スペース化の例(出所:三菱電機)
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 ラインアップは、200V・散水なしの仕様で40/50/60/70馬力。定格冷却・加熱能力は118k/150k/180k/200kWだ。ヘッダー配管を内蔵したタイプと冷温水ポンプを内蔵したタイプ、ヘッダーやポンプを内蔵しないタイプを用意した(図4)。ヘッダー配管は、複数の空冷式ヒートポンプチラーと冷温水配管を接続するための集合配管。これを内蔵することで、施工で必要な配管スペースや接続箇所が減り、施工の手間と時間を省けるという。

図4:ヘッダー内蔵タイプ(左)とポンプ内蔵タイプ(中)、ポンプレスタイプ(右)の比較
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 空調冷熱総合管理システム「AE-200J」に接続して、液晶タッチパネルでの操作やスケジュール運転できるようになる。同システムはビル用マルチエアコンや設備用パッケージエアコン、産業用除湿機、低温機器、業務用ヒートポンプ給湯器にも対応しており、これらと新シリーズの総合管理を実現する。