ルネサス エレクトロニクスは、最大14セルのLiイオン2次電池を直列に接続した電池パックに対応する電池管理(バッテリーマネジメントIC)「ISL78714」を発売した(ニュースリリース)。各セルの端子電圧と温度を測定してセル電圧のバランスを確保する機能に加えて、過電圧や低電圧、過熱、断線などの故障から電池パックを保護するシステム診断機能などを搭載した。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100グレード2」に準拠する。さらに、機能安全規格「ISO 26262」のASIL-D仕様に対応することが可能だ。ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などに向ける。同社によると、「発売したICを使えば、EVやHEVのバッテリー寿命と航続距離を延ばせる」という。

14セルのLiイオン電池に対応した電池管理IC。ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 14ビット分解能のA-D変換器を集積した。このA-D変換器で、セルの端子電圧と温度のアナログ値をデジタル値に変換する。端子電圧の検出範囲は+1.65〜4.28V、温度の検出範囲は−20〜+85℃である。端子電圧の検出誤差は最大±2mVと小さい。電圧の検出誤差の長期ドリフトは、基板実装状態において±6mVである。±5Vのディファレンシャル(差動)形式に対応する。発売したICとホストマイコンとの接続には、同社独自開発の2線式インターフェースを使う。これによって、発売したICを複数個、デイジーチェーン接続し、マイコンから一括制御できる。最大で30個のICをデイジーチェーン接続できるという。2線式インターフェースのデータ伝送速度は最大1Mビット/秒。絶縁方式には、コンデンサー結合とトランス結合の両方が使える。

 過電圧や低電圧、過熱、断線などの故障を検知した場合、ホストマイコンに対してその情報を送信できる。送信に要する時間は電池パックのセル数が112セルのときに最大10ms。70セルのときに最大6.5msである。最大6本の外部温度入力端子を備える。ウォッチドッグタイマーを搭載する。パッケージは、64端子TQFP。動作温度範囲は−40〜+105℃。価格は明らかにしていない。評価ボードやリファレンス設計キットを用意している。