ヤンマーエネルギーシステム(本社大阪市)は2019年8月8日、発電機などのエネルギー関連機器について、機器の販売だけでなく設置や運用を含めたサービスとして顧客に提供する「エネルギーソリューション事業」を本格的に開始すると発表した()。同社はガスヒートポンプエアコン、コージェネレーションシステム(熱電併給)、非常用発電機などを手掛けており、企業や自治体単位といった比較的小規模な規模での省エネルギーやエネルギー効率活用の推進を得意とする。これらの機器関連のサービスを、2018年に設置した新組織「ソリューション推進室」が強化し、5年後をめどに100億円規模の売り上げを目指す。

図 エネルギーソリューション事業の3本柱
「創エネソリューション」「再エネソリューション」「熱電ソリューション」の3つを柱とする。創エネソリューションでは従来同様の機器の効率向上に加えてシステムとしての提案を強化。再エネソリューションは廃棄物処理とエネルギー供給の両立、熱電ソリューションは熱と電気を合わせた総合的な利用効率向上を目指す。
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 国連が提唱する持続可能な開発目標SDGsやESGなどに沿って、環境に配慮したエネルギーミックスの推進や再生可能エネルギー導入、CO2排出量抑制に取り組むという観点で、同社のエネルギー機器への需要が増えているという。エネルギーソリューション事業では、エネルギー機器を効率的に制御するエネルギーマネジメントシステムによる省エネ、環境に負荷を与える食品残さ(渣)や下水汚泥・廃食油といった廃棄物のエネルギー源への転換について、運用体制の構築や運用自体を含めたサービスとして提供する。

 そのうちの1つのバイオマス発電では、食品残さや下水汚泥から発酵によって造ったメタンガスや廃食油を燃料として発電機やコージェネレーションシステムを動かす。廃棄物が生じる工場や下水処理場に装置を設置し、得た電気や熱などを再利用したり、外販したりする。

 例えば「FIT発電事業」では、顧客に機器の設置場所を借りて、ヤンマーエネルギーシステム所有の発電機を設置する。顧客からメタンガスを買い取って、これを燃料として発電し、電力会社に販売。顧客は、廃棄物だったバイオガスの売却益と土地使用料と合わせて年間500万円程度を受け取れる。機器の運用や保守はヤンマーエネルギーシステムが全て担う。つくった電気は、現在のところ固定価格買い取り制度(FIT)に基づいて電力会社に販売するのが有利だが、顧客の工場や処理場に販売する(顧客は発電機ではなく電気を買う)場合もあるという。

 稲作で発生するもみ(籾)殻をガス化し、そのガス(一酸化炭素)を燃やして発電する事業も検討中。もみ殻は野焼きによる処分ができなくなりつつあり、煙が出ないガス化発電によってもみ殻の処理問題を解決すると同時に新エネルギー源を確保できるという。