「日経ものづくり」がWebでのアンケート調査で構成する記事「数字で見る現場」の2019年4月号では、「開発設計マネジメントの課題」をテーマに調査を実施した。その集計結果を詳細に分析したところ「開発設計マネジメントの水準を上げるとQCD(品質・コスト・スケジュール)の水準が上がり、業績を押し上げる」ことの裏付けを得られ、前回(前編)の「日経ものづくり調査で分かった『プロジェクトマネジメントが上手なメーカーは好業績』」で紹介した*1

 今回(後編)は、QCDそれぞれの水準を高めるために、具体的にどのようなマネジメント課題の解決に取り組む必要があるかについて提言したい。Q(品質)については変化点管理のような課題・リスクに関する管理や、設計早期での検討の質を上げる方策が有効と考えられる。C(コスト)は開発設計部門単独では限界があり、原価管理部門、調達部門、生産技術部門などとの協力が有効。D(スケジュール)は、工数管理と並んで課題管理が重要と見られる。

*1 筆者らPwCコンサルティングのメンバーは、この調査に対して設問検討とアンケート回答の分析などで支援した。長年にわたり製造業各社の開発設計マネジメントの改革を支援してきた中で、マネジメント水準が高い企業はQCD(品質・コスト・スケジュール)について高い水準を達成しており、QCD水準が高い企業は業績も良い傾向にあると感じていた。今回の調査結果からは、それらの感覚を裏付けるとともにQCDそれぞれの水準を高める方策を示唆するデータが得られた。

品質目標を達成する開発設計マネジメント――変化点管理、フロントローディング

 まず、品質と開発設計マネジメントの各項目との関係についての調査結果をグラフで示す(図1、前回掲載したものと同じ)。開発設計マネジメントの各項目についてマネジメント水準が「高い」と回答した企業と「低い」と回答した企業では、「品質に関する問題」について「ない」と回答する率に開きがある。その開きがどのくらいかを示した。

図1 品質(Q)の問題とマネジメント水準の関係性
(出所:PwCコンサルティング)
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 図1の数値は、「品質に関する問題」が「ない」との回答について、マネジメント水準が「低い」企業の回答率を「1」としたときにマネジメント水準が「高い」企業では何倍に増えるかを指す。これをマネジメント項目1つひとつについて示した。最も開きが大きかったマネジメント項目はプロジェクトマネジメント(2.91倍)で、2番目がプロセス(2.87倍)、3番目が組織運営(2.74倍)と続く結果だった。

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