メルカリは2019年8月8日、2019年6月期通期の連結決算を発表した。売上高は前期比44.5%増の516億8300万円、営業損益は121億4900万円の赤字だった。前期の営業損益は44億2200万円の赤字。米国事業やスマホ決済「メルペイ」事業の広告宣伝費や人件費の増加に伴い、赤字幅が拡大した。中核である国内フリマ事業は売上高が前期比38.4%増の462億円、調整後営業損益が同28.0%増の94億円と好調であるとした。

山田会長は「社会の公器を目指すと共に、今後もテクノロジーへ投資して世界的なテックカンパニーを目指す」と強調した
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 事業の成長度合いを示す指標であるGMV(流通総額)とMAU(月間利用者数)は共に拡大した。国内フリマ事業の2019年6月期のGMVは同41.3%増の4902億円、MAUは同26.2%増の1357万人だった。注力分野の1つである米国事業についても、2019年4~6月期のGMVが前年同期比68.5%増の1億米ドルと着実に成長しているとした。

 「目指しているのは短期的な収益ではなく中長期の成長だ。人材、テクノロジー、そして海外事業に積極的に投資していく」。山田進太郎会長兼CEO(最高経営責任者)は同社の経営方針をこう説明した。2020年6月期を「勝負の年」と表明。足元の業績は赤字が続くが、事業規模の拡大に向けた人材採用や技術開発、広告宣伝への投資を続ける意向を示した。

スマホ決済「PayPay」がフリマに参入する意向を示すなど競争が激化する中、小泉社長は「マーケットプレイスはウィナー・テイクス・オール(勝者総取り)になりやすい。よりシェアを高めていきたい」とした
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 個別の事業方針については小泉文明社長が説明した。1350万人いる国内フリマ事業のMAUに対して「現在の3倍、3000万~4000万人のポテンシャルがある」(小泉社長)。AI(人工知能)を活用して出品手続きを支援する機能の拡充や、初心者向けの講習会開催といった施策に力を入れていく。

 2019年7月30日に買収を発表したJリーグの鹿島アントラーズについては、メルカリにとって3つのメリットがあると説明した。女性から男性への顧客層の拡大、ブランド力の向上、テクノロジーを活用したビジネス機会の創出である。競技場にメルペイを導入したりメルカリの体験コーナーを設けたりして「鹿島地域を実証実験の場にしたい」(小泉社長)とした。