ソフトバンクグループ(SBG)は2018年8月7日、2019年4~6月期連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高は前年同期比2.8%増の2兆3363億9700万円、営業利益は同3.7%減の6888億1600万円と増収減益だった。減益は英アーム(Arm)の中国子会社再編にともない前年同期に一時的な利益を計上した反動減が響いた。

 決算説明に立った孫正義会長兼社長は「アーム事業の一時的な利益計上の影響を除くと、24%の増益に相当する」と説明した。さらに子会社の米スプリント(Sprint)と米Tモバイル(T-Mobile)の合併が完了すれば連結対象から外れることを踏まえ、スプリント事業の影響を除くと37%の増益に相当するとした。

 SBGは自らを「戦略的投資会社」と位置付けており、「売上高や営業利益はもはや大きな意味を持たない」(孫会長)。投資先の企業価値やベンチャー企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の説明に時間を割いた。SBGが重視する経営指標である保有株式の価値は合計26兆円と説明した。

投資先の評価額を説明する孫正義会長兼社長
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 2019年3月末時点と比較すると保有株の価値は1兆円増加している。中国アリババグループ(阿里巴巴集団)の価値が保有分で12.5兆円から11.3兆円に減ったが、SVFの保有分が2.7兆円から3.5兆円と上げたことや、その他の投資先の価値上昇が寄与した。一方で、スプリントが連結対象から外れることなどを加味するとSBGの純負債は5兆円と説明。SBGの株主価値は「26-5」で21兆円であると主張した。

 「10兆円ファンド」と呼ばれたSVFは運用開始から約2年を経て、総額で7.7兆円(714億ドル)を投資済みと説明した。投資先の評価額の上昇分である投資利益は2.2兆円(202億ドル)と評価しており、孫会長は「運用から2年と短い間でもこれだけの利益を上げた」とSVFの成功を強調した。

 2013年に子会社化したスプリントへの投資の評価については、買収に投じた自己資金の価値を3倍強に高めたとして、投資会社としても十分な成功を収めたと評価した。スプリントの買収に投じた資金は2.1兆円で、持ち株の現在の価値は現在2.9兆円である。単純計算では累計で約38%のリターンにとどまるが、買収時に投じた自己資金は0.4兆円で、残りは借入金でまかなっている。自己資金だけで評価すると、約9年間で自己資金0.4兆円の価値を1.3兆円と累計で3倍に高めた。平均の年率リターンは21%に達するという。