ソフトバンクグループは2019年7月29日、出資先であるシンガポールの配車大手グラブ(Grab)を通じ、今後5年間で20億ドル(約2160億円)をインドネシアに投資すると表明した。同日、ソフトバンクGの孫正義会長兼社長がジャカルタの大統領宮殿でジョコ大統領との会談後に明らかにした。

 孫氏はインドネシア以前にも、米国やロシア、韓国など海外の大統領との会談を次々に成功させている。今回はインドネシアへの投資で電気自動車(EV)を使った配車サービスや食品配達サービスを強化し、配車や決済で激しく競合しているインドネシアのゴジェック(Gojek)に対抗する。

インドネシアのジョコ大統領と会談するソフトバンクGの孫正義会長兼社長
(出所:グラブ)
[画像のクリックで拡大表示]

 まずは3カ月以内にグラブがインドネシアで手ごろな値段のeヘルスケアサービスの提供を始める。さらにグラブはシンガポール本社に続き、インドネシアに第2本社を構える。この第2本社内にR&Dセンターを設け、食品配達サービスや2017年に買収したインドネシアのECサイト運営のKudoのサービス開発を進めるという。

 インドネシアは人口が約2億6000万人。世界で4番目、東南アジアで最も人口の多い国であり、市場をグラブやゴジェックなどが争っている。政府も次世代交通ネットワークの導入などデジタルインフラの強化を表明しており、市場を攻略したいソフトバンクGやグラブと思惑が一致した格好だ。ソフトバンクGはソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じ、グラブへ27億ドルを出資している。