アスクルは2019年7月23日、岩田彰一郎社長が資本提携関係にあるヤフーから退任を要求されている点について、社外取締役と社外監査役で構成する独立役員会が見解を説明する会見を開いた。独立役員会は「ヤフーとは関係解消を含む提携見直し交渉をすべきだ」と岩田社長ら経営層に進言したと明らかにした。

 会見には社外取締役で元松下電器産業(現パナソニック)副社長の戸田一雄氏や、独立役員会のアドバイザーを務める久保利英明弁護士らが登壇した。戸田氏は、ヤフーがアスクルの経営陣選定のプロセスを知りながらこれを無視して株主総会の直前に社長退任を迫ったなどとして、ヤフーによる社長退任の要求は「上場企業のガバナンスを無視している」と非難した。

独立役員会の関係者。登壇しているのは戸田一雄社外取締役
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 戸田氏は、個人向け通販「LOHACO」事業を巡るやりとりも含めて、ヤフーと関係を修復して建設的に協力していくのは困難と判断したという。そこで、「ヤフーは早急に提携見直し交渉をすべきだと現経営陣に意見した」とした。またヤフーが2019年8月2日の株主総会で提示する取締役人事案について、独立役員会はアスクルの指名・報酬委員会で決めた通りに岩田社長ら現経営層の選任を支持した。

 ヤフーはアスクルに45%強を出資している。アスクルの第2位株主であるプラスがヤフー支持に回った点を考慮すると、議決権の比率では岩田社長の退任が避けられない状況だ。この点について久保利弁護士は、大株主の議決権行使によって少数株主が不利益を被る場合、「(大株主を)乱用的な買収者と見なせる」と発言した。明確な法的解釈への言及は避けたが、支配的株主の議決権行使が全て正当化されるわけではないと指摘した格好だ。