英ジャガーランドローバー(Jaguar Land Rover)は2019年7月9日、廃棄プラスチックをプレミアムグレードの材料へリサイクルする新たな方法を試していることを明らかにした。化学会社のドイツBASFと協力し、「ChemCycling」と呼ばれる、廃棄プラスチックを高品質材料へ変えるパイロットプロジェクトに参加する。

(写真:Jaguar Land Rover)
[画像のクリックで拡大表示]

 世界の廃プラスチックの量は2050年までに1200万トンに達すると予測される。現在、これらの材料は、最も厳格な安全・品質基準を要求される自動車部品には使用できない。ChemCyclingでは、埋め立てもしくは焼却される家庭用プラスチックを、新しい高品質な材料へとリサイクルする。

 廃プラスチックは、熱化学処理で熱分解油に変換され、化石資源(石油)の代替品としてBASFの生産チェーンに供給される。最終的には石油から得られたプラスチックと同レベルの品質と性能を再現し、新しいプレミアムグレード材料として生産できるようにする。重要なのは、強度が調節できる着色可能な材料にすることだという。これによりダッシュボードや外装面に利用でき、「持続可能なソリューション」となる。

 両社は、廃プラからリサイクルされた材料を使ってオーバーモールドされたフロントのキャリアを製作し、電気自動車「I-PACE」の実験車で試験している。既存部品と同様に厳しい安全要件を満たしていることを確認した。

 現在の自動車製造にプラスチックは不可欠の材料である。しかし、プラスチック廃棄物は世界的な大きな課題となっている。JRLは2020年までに、英国内の事業で、埋め立て廃棄物の排出量をゼロにするという目標を立てていたが、すでに達成した。生産ラインから出る埋め立て面積で130万m2相当の廃棄プラスチックを削減し、そのほかの業務でも使い捨てのプラスチック製品の使用を代替品に変えたという。しかし、廃棄プラスチックの課題は、今後も規制当局やメーカー、サプライヤーなどが協力して考えていくことが必要だとしている。