テラスカイは2019年7月19日、東京都内で自社イベント「テラスカイデイ2019」を開催した。基調講演に登壇した佐藤秀哉社長は、2019年6月に子会社Quemix(キューミックス)を設立して量子コンピューター市場に参入した狙いを説明した。

量子コンピューター関連事業に取り組む子会社Quemix(キューミックス)について説明するテラスカイの佐藤秀哉社長
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 佐藤社長は「テラスカイはこれまでクラウド分野のシステムインテグレーターとして成長してきた。新たな分野への挑戦として、2年前に『R&D部』を作って量子コンピューターに関する研究を続けてきた。量子コンピューターはスーパーコンピューターを超越する圧倒的な計算性能を実現する可能性があるが、実用化へのハードルは高い。特に、量子コンピューターの進化を支えるためのツール類がそろっていない。テラスカイが参入すれば、テラスカイの発展につながると判断した」と述べた。

 新会社Quemixは、米IBMと同社の量子コンピューター「IBM Q」の利用契約を結び、IBM Q向けのツール類の開発などに取り組む。IBM Qの商用化に向けた連携組織「IBM Q Network」のメンバーにもなった。Quemixの他にホンダや三菱UFJフィナンシャル・グループといった日本企業が名を連ねている。

日本IBM東京基礎研究所の小野寺民也副所長
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 日本IBM東京基礎研究所の小野寺民也副所長は「量子コンピューターは長らく物理学者の理論の域を出なかったが、IBM Qの開発でようやく小規模な量子コンピューターが利用可能になった。この先、既存のコンピューターとは全く次元の異なる量子アルゴリズムの分野でノウハウを蓄積しなければ、商用アプリケーションの動作まで行き着かない。IBM独力では無理で、外部企業との協業が不可欠だ。その意味で、QuemixにIBM Q Networkに参加していただいたのはとてもありがたい」と述べた。