ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)は2019年7月15日、新しい6速手動変速機「MQ281」を開発したと発表した。効率を高めることに集中して開発した結果、CO2排出量を最大5g/km改善できたという。欧州では2021年にCO2排出量を95g/km以下にする厳しい環境規制が始まる。この新型変速機は48Vマイルドハイブリッド技術などとともに、規制クリアのための重要な要素技術になる。MQ281は最初に「Passat」に装備し、その後、Audi、SEAT、SKODAなど他の車種にも搭載していく予定。

(写真:Volkswagen)
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 市場トレンドが大径ホイールのSUVに向かうことで変速機に対する要求も高くなっている。MQ281はこれらの要求を満たしたという。トルク範囲は200~340N・mで、現行の「MQ250」と「MQ350」の一部を置き換えられる。

 2.5シャフトコンセプトをベースに、変速比幅を最大7.89に拡大した。これにより発進性能を高めつつ、エンジン回転数が低く高ギアで省燃費運転が可能となる。今回、仮想開発方法を採用し、新しいオイル潤滑システムを設計した。様々なオイル潤滑方法を試して、ギアホイールとベアリングの均一で最適なオイル潤滑を実現し、寿命までに必要なオイル量を1.5Lまで減らした。さらに、ギアボックスに適応したベアリングコンセプトを開発し、ローコンタクトシール付きベアリングを使うことで摩擦を低減した。

(写真:Volkswagen)
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 また、ギアボックスのハウジングに使用する材料の配分を最適化し、さらに仮想開発ツールを使って強度を最適化した。新しいハウジングは、望ましくない2次騒音を回避しつつ現行の防音要件をクリアする。

 MQ281は、VWグループ傘下の部品メーカー、スペインSEAT ComponentesがバルセロナのEl Prat de Llobregat工場で生産を開始した。年間生産能力は45万基。同工場でこれまで生産していたMQ200は、チェコSKODA ComponentesのMlada Boleslav工場に移管した。また、VWグループ内で変速機を生産しているアルゼンチンのコルドバ拠点でも、生産立ち上げが進められている。