日本電波工業(NDK)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、両者が共同開発したガス計測センサー「Twin-QCM」が欧州委員会の適合マークであるCEマーキングに対応したと発表した(図、ニュースリリース)。EU域内への輸出に必要な安全指令への適合が証明されたとして、海外向け販売を本格化する。

図:「Twin-QCM」のセンサーモジュール
液体窒素冷却型の「Twin-CQCM」(左)と、熱電素子冷却型「同TQCM」(中)、両モジュール対応する「同センシングユニット 4ch」(右)(出所:日本電波工業・JAXA)
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 同センサーは、真空環境下において接着剤や放熱材、樹脂などから放出されるガス(アウトガス)を高精度に測れるのが特徴(関連記事)。2017年3月に発売し、2018年11月からは「Twin-CQCM(Cryogenic QCM)」「同TQCM(Thermoelectric QCM)」の2種類のセンサーモジュールをラインアップして販売している。

 液体窒素冷却型の同CQCMは、動作温度範囲が−196~+125℃と広いのが利点で、質量は100g以下。一方の同TQCMは、ペルチェ素子を内蔵した熱電素子冷却型。液体窒素が不要で、宇宙機器以外でも使いやすい。動作温度範囲は−80~+125℃、質量は50g以下としている。

 両機種とも、周波数は10.278MHz(基本波)と30.833MHz(3倍波)。質量感度は、基本波で2.39×108(Hz/g)cm2、3倍波では7.17×108(Hz/g)/cm2、温度特性は±10ppm(+25℃に対して)とする。外形寸法は直径35.0×高さ23.3mm、電極面積は12.57mm2である。

 従来のセンサーに比べて精度と温度補償機能の安定性に優れるため、宇宙機器の開発におけるコンタミネーション(汚染)対策に有効という。JAXAは既に、人工衛星で使われる材料のアウトガス測定に活用している。今後は使用範囲を拡大し、人工衛星の実機スケールでの測定にも適用する計画だ。

 さらにNDKは、JAXAと共同で研究・開発した成果を利用していることを示す「JAXA COSMODE」の付与製品として、同センサーの宇宙産業以外への展開も図る。まず、車載機器の材料分析をターゲットに「人とくるまのテクノロジー展2019 名古屋」(2019年7月17~19日、ポートめっせなごや)に出展。その他、有機材料や半導体、建材といった分野での採用も目指す。