ロームは、変換効率が97%(出力電流200mAのとき)と高い昇降圧型DC-DCコンバーターIC「BD83070GWL」を発売した(ニュースリリース)。同社によると、「業界最高の変換効率を達成した」という。さらに、ICの自己消費電流は2.9μAと少ないため、「一般的な製品に比べると、出力電流が100μAのスタンバイ時に、電池駆動時間を1.53倍に延ばすことができる」(同社)としている。オン抵抗が低いスイッチング素子(MOSFET)を集積したほか、低消費電流回路技術を適用することで実現した。単一セルのLiイオン2次電池、もしくは3セル直列のNi水素2次電池で駆動する電子機器に向ける。具体的な応用先は、スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル機器、IoT機器、電動歯ブラシ、電動シェーバー、電子玩具などである。

変換効率が97%と高い昇降圧型DC-DCコンバーターIC。ロームの写真
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 0.13μmのBiCDMOS(バイポーラー、CMOS、DMOS)プロセスで製造した。4つのスイッチング素子で構成する電源回路トポロジーを採用した。同期整流方式に対応する。4つのスイッチング素子はすべて集積した。オン抵抗は、入力側のハイサイドが50mΩ(標準値)、入力側のローサイドが60mΩ(標準値)、出力側のハイサイドが55mΩ(標準値)、出力側のローサイドが65mΩ(標準値)である。入力電圧範囲は+2.0〜5.5V。出力電圧は+2.5V、もしくは+3.3V。最大出力電流は1A。スイッチング周波数は1.50MHz(標準値)である。通常動作時はPWM制御方式だが、軽負荷時はPFM制御方式に自動的に移行する。こうすることで、軽負荷時の電力損失を低減した。ただし、この自動的な移行を無効(ディセーブル)にすることも可能であり、出力電圧のリップルを抑え、固定のスイッチング周波数での動作を実現できる。さらに、同社独自の「X Ramp PWM制御」を採用することで、昇圧モードと降圧モードが切り替わる際に、リップルが発生しないシームレスな遷移を可能にしたという。

 しきい値が+1.61V(最大値)の低電圧ロックアウト(UVLO)機能や過熱保護機能、過電圧保護機能、過電流保護機能などを備える。パッケージは、外形寸法が1.20mm×1.60mm×0.57mmと小さい12端子UCSP50L1C。動作温度範囲は−40〜+85℃。すでにサンプル出荷を始めている。量産は2019年10月に開始する予定。サンプル価格は300円(税別)である。