伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)社は、パッシブ方式のリモート・キーレス・エントリーに対応したキーフォブに向けた3軸加速度センサーIC「AIS2DW12」を発売した(ニュースリリース)。発売したICをキーフォブに搭載することで、セキュリティー性能を高められるという。

パッシブ方式のリモート・キーレス・エントリーに対応したキーフォブに向けた3軸加速度センサーIC。STMicroelectronicsのイメージ
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 一般に、パッシブ方式のリモート・キーレス・エントリー・システムでは、運転手(所有者)が自動車に触れると、自動車からキーフォブに対してUnlockコマンドの送信を求めるリクエストが送られる。これを受けたキーフォブは、Unlockコマンドを自動車に無線送信することでドアを解錠するという仕組みである。窃盗犯は、キーフォブが自動車から遠く離れた通信範囲外に置かれていても、中間送信機を使ってキーフォブと自動車との間の無線通信を仲介する。こうして自動車のドアを開錠し、盗んでしまう。発売したICをキーフォブに内蔵しておけば、キーフォブが移動していない(物理的に動いていない)ときや、無線通信の範囲外にあるときはキーフォブの電源を切ることが可能になる。中間送信機を使った無線通信の仲介ができなくなるわけだ。運転手が自動車に近づいて、無線通信の範囲内でキーフォブの動きを検出すれば、キーフォブの無線通信回路を起動する。こうすることでセキュリティー性能を高められると同時に、電池駆動時間を延ばせるようになる。

 MEMS技術で製造した。加速度検出のフルスケールは±2g(標準値)、もしくは±4g(標準値)のどちらかを選択できる(gは重力加速度)。検出感度は、フルスケールが±2gのときに0.244mg/digit(標準値)、±4gのときに0.488mg/digit(標準値)。ゼロレベルのオフセット誤差は±20mg(標準値)で、その温度ドリフトは±0.2mg/℃である。デジタル信号出力に対応しており、分解能は16ビット。出力データレートは1.6〜100Hzの範囲でユーザーが設定できる。32レベルのFIFOメモリーを内蔵した。最大で1万gの衝撃に耐えることができる。

 電源電圧は+1.62〜3.6V。超低消費電力(ウルトラ・ロー・パワー)モードでの消費電流は380nAである。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠するほか、自動車業界の生産部品承認プロセス「PPAPレベル3」をクリアできるとする。パッケージは、外形寸法が2mm×2mm×1mmの12端子LGA。1000個購入時の米国での参考単価は1.375米ドルである。