ロイヤルホールディングス(HD)の菊地唯夫会長は2019年7月12日、「IT Japan 2019」(日経BP主催)の基調講演に登壇し、外食産業におけるデジタル技術の活用戦略について語った。人手不足などの様々な課題を抱えるなかで「持続的な成長を目指すにはAI(人工知能)などデジタル技術の活用が不可欠」と力を込めた。

「IT Japan 2019」の基調講演に登壇したロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長
(撮影:井上 裕康)
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 ロイヤルHDはキャッシュレス決済を全面的に取り入れた実験店舗を運営している。清掃ロボットなどの導入にも積極的だ。菊地会長はデジタル技術を活用して、「生産性向上と働き方改革を両立させる」と説明した。また、商品を通じて価格に見合った価値を提供する「基礎的満足度」の向上にもデジタル技術を活用し、従業員は臨機応変な顧客対応や心を込めたサービスなど「付加的満足度を高めることに集中させたい」と語った。

 ビッグデータを分析して発注の精度向上につなげるなど、AIを積極的に活用していく方針も披露した。ただ現状のAIは、「ホスピタリティ、クリエイティビティ、マネジメントの3つの分野は苦手とされる」と指摘。これらについて「テクノロジーで代替できる領域と人にしかできない領域を明確にして、接客・調理・店舗マネジメントのそれぞれの業務を再定義することでデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていく」と話した。

 「人口が減る日本がGDP(国内総生産)を高めるには生産性を上げる」との持論も展開した。ただし経営者が生産性の向上ばかり唱えても従業員にとっては「自分たちにどんないいことがあるのか分かりにくい面がある」と強調。付加価値の高いサービスによって生産性を上げることが報酬アップなど従業員のメリットにつながることを「現場に伝えていく必要がある」とした。

菊地会長は外食産業におけるデジタル活用について、「人による労働orテクノロジー」ではなく「人withテクノロジー」が重要だと説く
(撮影:井上 裕康)
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