慶応義塾大学は2019年7月11日、日本・米国・英国の6つの大学の間でサイバーセキュリティーの研究や教育、政策提言などに関する「チャーター(設立趣意)合意」を結んだと発表した。協定を結んだのは慶応大、九州大学、米メリーランド大学ボルティモアカウンティ校、米ノースイースタン大学、英ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの6校。2019年7月4日までに各大学の学長が合意書に署名した。

合意書には慶応義塾大学の長谷山彰塾長らが署名した
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 合意の目的は、慶応大が主導して2016年11月に創設したサイバーセキュリティーに関する国際連携組織「InterNatioal Cyber Security Center of Excellence(INCS-CoE)」の活動を強化することだ。

日立や富士通、NECなどがサポート

 サイバー空間の安全や安心を守るには、国境や組織を超えた連携が不可欠だ。こうした問題意識から、慶応大の呼びかけで、米スタンフォード大学や英オックスフォード大学、東京大学などの有志が参加したINCS-CoEが発足した。

 現在はスマートシティやAI(人工知能)といったテーマで6つのワーキンググループが活動している。産官学が国際的に協力してサイバーセキュリティーという社会課題を解決するため、大学という「中立的な場」を生かす考えだ。日立製作所や富士通、NECなどが同活動をサポートしている。

 チャーター合意の締結とともに、INCS-CoEの理事会メンバーに慶応大大学院政策・メディア研究科の手塚悟特任教授や九州大の岡村耕二教授など6大学でサイバーセキュリティーを専門とする教授が就いた。

 「学長が署名した法的合意にまで踏み込むのは珍しく、サイバーセキュリティーという分野を各大学が重視していることの表れだ。今後はINCS-CoEとして、各国政府や企業と協力しながら、さらに大きなプロジェクトを手がけたい」。INCS-CoEの発起人であり、理事会の議長となった手塚特任教授はこう意気込む。