大日本印刷は2019年7月10日、出版社の新建築社、エー・アンド・ユーと共同で、雑誌の誌面レイアウトを自動生成する技術を開発したと発表した。AI(人工知能)を活用し、その雑誌らしいデザインに沿ったレイアウトを自動で複数生成できる。特に画像中心でデザイン性の高い雑誌の制作において、手間のかかっていた誌面のレイアウト案制作を自動化することにより、雑誌編集業務の効率化を図る。

大日本印刷と新建築社、エー・アンド・ユーが開発したレイアウト自動生成技術
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 大日本印刷などが開発したのは、記事の素材となるテキストや画像データを入力すると、誌面レイアウト案を生成する技術である。入力した素材データに基づいて数百~1000程度の配置パターンをランダムで生成し、それぞれのレイアウトについて「その雑誌らしさ」をAIでスコア判定。その中からスコアが高い複数の候補を選んで提示する仕組みだ。

 スコア判定にはディープラーニング(深層学習)を使い、雑誌固有のデザインの傾向を抽出できるようにした。スコア付けの根拠を示すヒートマップも出力する。深層学習モデルがレイアウトのどこに着目したかを可視化することで、誌面のブラッシュアップに役立てられる。

深層学習モデルが出力したスコアの根拠をヒートマップで確認できる
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 エー・アンド・ユーは、今回の技術を同社の海外建築専門月刊誌「a+u」2019年8月号の制作の一部に活用した。深層学習モデルの学習には、同雑誌の過去15年分のバックナンバー約5000ページのデータを使った。

 3社は今後、開発した技術の効果検証を進め、誌面レイアウト自動生成システムの実用化を進める。具体的には、実際の編集プロセスに組み込めるように、DTPソフト「InDesign」の拡張機能としてのサービス化を検討する。雑誌の他、パンフレットやカタログ、広告などにも展開したい考え。