移動通信関連の業界団体GSMA(GSM Association)は最新レポート「The Mobile Economy Asia Pacific 2019」にて、5Gが今後15年でアジア経済に約9000億米ドルもの利益をもたらすと発表した(GSMAのニュースリリース)。アジアの移動通信事業者が2018年から2025年の間に、5Gネットワーク構築に3700億米ドルを投じ、2025年までに、アジア太平洋地域の24市場で5Gサービスが開始するとも予測している。

5Gによるアジア太平洋地域の経済効果
今後5Gはアジア太平洋地域の経済に著しく貢献する。出所:GSMA
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 中国では現在、2020年の5G商用サービス開始に向け、上海をはじめとする主要都市で5G関連試験を実施している。レポートでは、2025年までに中国の移動通信の28%が5Gによるものとなり、全世界の5G通信の3分の1を占めるようになるとしている。

地域別にみた5Gのシェア
北東アジアおよびオセアニアでの2025年時点での5Gシェア(ライセンス周波数帯使用のセルラーIoTを除く)。出所:GSMA
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 この他、レポートでは次のような報告もされている。

 ・移動通信事業者は、2018年から2025年までに、新しいネットワーク構築に5740億米ドルの資本を支出する。そのうち3700億米ドルは5Gネットワーク向けとなり、中国だけでも1840億米ドルが5Gネットワーク構築のために使われる。

5Gと非5Gの投資額推移
2025年までにアジア太平洋地域の移動通信事業者がネットワークに投資する5700億米ドルのうち5Gは3分の2を占める。出所:GSMA
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 ・4Gは2018年の時点でアジアの接続数の52%を占めているが、2025年では3分の2超、5Gも約18%を占めるようになる。

世代別にみたシェアの推移
4G接続数は2021年に70%を超え5G接続数も2023年に3G接続数を超える。出所:GSMA
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 ・2018年時点でのアジアのスマートフォンユーザーは全体の61%だが、2025年までには5分の4がスマートフォンによる接続となる。

地域別にみたスマホの接続シェア
2025年までに全接続数の5分の4をスマートフォンが占める。出所:GSMA
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 ・2018年末のアジア地域の移動通信契約者数は、この地域の人口の67%に当たる28億人で、2025年までには72%に相当する31億人となる。増加率が緩やかなのは、主要市場で飽和状態になることによる。

地域別にみた契約者数の推移
移動通信契約者数の増加率はペースダウンするが、2025年までには31億人を超える。出所:GSMA
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 ・2018年から2025年までの新規加入者のほとんどは、インド、中国、パキスタン、インドネシア、バングラディシュ、フィリピンの6カ国からのものとなる。

国別にみた新規加入者数
2025年までの新規加入者数の3分の2はインドと中国が占める。出所:GSMA
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 ・2018年の移動通信技術とサービスによるアジア太平洋地域への経済効果は、この地域のGDPの5.3%に当たる1.6兆米ドルで、2023年までには、1.9兆米ドルを上回る額となる。

2018年の移動通信による経済効果
生産性の向上などを合わせれば1.6兆米ドルに上る。出所:GSMA
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 ・2018年、アジア太平洋地区の移動通信エコシステム関連の直接・間接雇用人員は、1800万人を超えた。税収も1650億米ドルとなった(周波数帯使用料や各種規制によるものを除く)。

2018年のアジア太平洋地区における雇用効果
直接・間接雇用は1800万人超。出所:GSMA
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2018年のアジア太平洋地区における税収効果
総額は1650億米ドル。出所:GSMA
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 このレポート「GSMA The Mobile Economy Asia Pacific 2019」はGSMAのダウンロードサイトから入手可能となっている。

GSMA The Mobile Economy Asia Pacific 2019
出所:GSMA
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