クラリベイト・アナリティクス・ジャパン(本社東京、以下クラリベイト)と日立製作所は、知財戦略の立案に当たって必要となる海外特許文献の調査業務を効率化するサービス「特許読解支援Derwent連携」を開発した(図1、ニュースリリース)。2019年7月17日から、日立の特許情報提供サービス「Shareresearch」(シェアリサーチ)のオプションとして提供し、約8400万件の海外特許情報の要約をシェアリサーチ上で閲覧できるようにする。月額利用料は18万円(税別)から。

図1:「特許読解支援Derwent連携」の概要
(出所:クラリベイト・アナリティクス・ジャパン、日立製作所)
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 新サービスには、クラリベイトのデータベース「Derwent World Patents Index」(DWPI)を利用する。DWPIは、世界59の特許発行機関が発行する海外特許情報を翻訳・要約しており、2019年6月時点での収録件数は約8400万。30言語以上で書かれた特許の情報を収める。

 新サービスでは、DWPIから引用したタイトルと抄録が英語と日本語で表示される(図2)。このため、原文タイトルや抄録に比べて発明内容を推測しやすい。抄録は新規性や用途、優位性といった項目別に要約できるので、調査担当者の負荷軽減を図れる。

図2:抄録の例
(出所:クラリベイト・アナリティクス・ジャパン、日立製作所)
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 日立によると、中国やドイツ、ASEANなど非英語圏から発行される海外特許文献が増えるのに伴い、調査量が20~40%増加している。さらに、海外特許文献は記載される言語が多岐にわたる上、国によって記載ルールも異なるため、読解が非常に難しいとされる。こうした背景から、特許分野の専門知識や外国語の習熟度にかかわらず、効率的に海外特許文献を理解したいというニーズが高まっているという。

 シェアリサーチを知的財産部門だけでなく研究開発部門や営業部門などで利用可能にすれば、知財担当社員の調査結果を関係者間で迅速に共有し、読解作業を研究開発部門と分担するなど、業務効率化を図れる可能性がある。学術情報などを収めるクラリベイトのプラットフォーム「Derwent Innovation」の検索結果もシェアリサーチ上で共有できるため、より高度な調査が可能だ。

 新サービスの提供開始に先立ち、クラリベイトと日立は2018年11月に知財分野の市場活性化を目的とするサービスの開発検討に向けて協業を開始していた(2018年11月5日付ニュースリリース)。シェアリサーチのユーザーであるブリヂストンや村田製作所においてプロトタイプの検証を進め、一定時間内に読解できる件数が約40%増えることなどを確認した他、三菱マテリアルなどでも定性的な評価検証を実施しているという。