米テキサスインスツルメンツ(Texas Instruments;TI)は、ACサーボ制御などの産業用用途に向けて、ネットワーク接続性を高めたMCU「C2000 F2838x」を発表した(日本語ニュースリリース)。産業用Ethernetである「EtherCAT」、一般的なEthernet、CAN-FD通信を外付けのICなしで実行できる。

新製品はロボットなどの産業機器への応用を狙う。TIの写真
[画像のクリックで拡大表示]

 C2000 F2838xはCPUとして、同社独自の32ビットコア「C28」(200MHz動作)を1個または2個集積する。各C28コアには、200MHz動作の32ビット浮動小数点演算を実行するCLA(Control Law Accelerator)が付属する。CLAは、C28コアとは独立した動作が可能で、リアルタイム処理などを担う。

 新製品の特長である高いネットワーク接続性は、C28やCLAとは独立した回路「Connectivity Manager」によって実現している。Connectivity Manager全体の制御は「Arm Cortex-M4」が担う。AES(共通鍵暗号方式)対応の暗号化アクセラレーターなどセキュリティー機能を高めたConnectivity Managerは、EtherCATや、100M/10M Ethernet、CAN-FD通信を担う。

 この他、C28の周辺回路で、USBや各種シリアルインターフェースなどをサポートする。例えば、FSI(Fast Serial Interface)回路によって、最大200Mビット/秒でのチップ間通信や、絶縁バリアをまたいだ通信が可能という。

 C2000 F2838xはアナログ周辺回路として、16ビットまたは12ビットの分解能が選べるA-D変換器を4つ集積している。16ビットモードの変換速度は1.1Mサンプル/秒。12ビットモードでは3.5Mサンプル/秒である。D-A変換器は12ビットのものを8個備える。

新製品の機能ブロック図。TIの図。
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品は全部で6品種から成る。これらのうち3品種はC28とCLAを2個ずつ、残り3品種はC28とCLAを1個ずつ集積する。2個ずつ集積する3品種のうちの1品種と、1個ずつ集積の3品種のうちの1品種、すなわち2品種がEtherCATに対応する。なお、6品種の全てが100M/10M EthernetとCAN-FDに対応している。パッケージは6品種いずれも16.0mm×16.0mmの337ボールnFBGAである。

 現在、C28とCLAを2個ずつ集積した、EtherCAT対応の「TMS320F28388D」のサンプルを出荷中。価格は1000個発注時に1個当たり14.00米ドルからである。開発キットとして「TMDSCNCD28388D」を249.00米ドルで用意する。また、2019年6月末までに、モーター制御用とデジタル電源用のSDK(ソフトウエア開発キット)の提供を開始する予定である。

開発キットの「TMDSCNCD28388D」。TIの写真
[画像のクリックで拡大表示]