移動通信関連の業界団体であるGSMA(GSM Association)は2019年6月17日、「5Gシステムが天気予報などのサービスに支障を与える」とする一部の主張に反論するコメントを発表した(GSMAのニュースリリース)。既に移動通信業界の国際標準化団体などでは、5Gと気象予報、商業衛星、レーダーや放送用電波などのサービスが併存可能であることを立証済みと指摘。GSMAは今回、「5Gサービスと気象予報サービスは共存できる。5Gのせいで週間天気予報を出せなくなるという主張は単なるフェイクニュースだ」(GSMAのHead of SpectrumであるBrett Tarnutzer氏)と確信を持って表明すると同時に、こうした「5Gネットワークからの悪影響」といった主張が誤って信じられないよう牽制したいとしている。

出所:GSMA
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 GSMA が今回表明した内容は、過去の3点となる。

  • 5Gと気象予報の共存について:既存のサービスは適切な干渉軽減措置を導入することで、5Gサービス開始後も問題なく保護できる。10年前の設備ではなく、現在5Gが実験を重ねて編み出した環境を使って判断してほしい。
  • 周波数管理について:欧州では現在、5G向け周波数割り当てに向けた活動が進んでいる。ここで、既存のサービスも守るために、50%、もしくはそれ以上の周波数帯を5G使用不可周波数として制限しても意味がない。こうした周波数管理は、結果的に欧州や全世界における5G展開を制限することにしかならず、公的資金の無駄使いにもなりかねない。
  • 社会経済上の利点:5Gによる超高速ネットワークサービスの実現を制限することは、社会経済上の損失にもなり得る。移動通信業界では、ミリ波帯を活用することで、2020年から2034年までに、全世界のGDP(国内総生産)で5650億米ドル、税収にして1520億米ドルの利益増加を試算している。この数字から見ても、この周波数帯に通信事業者がアクセスできないとするのは、もったいないのではないだろうか。
■修正履歴
記事掲載当初、「全世界のGDP(国内総生産)で5650米ドル、税収にして1520米ドル」としていましたが、正しくは「全世界のGDP(国内総生産)で5650億米ドル、税収にして1520億米ドル」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。 [2019/06/20 21:40]