JVCケンウッドは、エクソソームを用いた妊娠高血圧腎症の発症予測システムの確立を目指し、英国オックスフォード大学およびシスメックスの海外現地法人Sysmex R&D Center Europeと共同研究を開始した。オックスフォード大学の長年にわたる研究活動の知見と、JVCケンウッドおよびシスメックスが2016年から共同で開発を進めているエクソソームを対象とした診断技術を融合する。

エクソソームの数を計測するイメージ(出所:JVCケンウッド)
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 オックスフォード大学は、胎盤が体内に放出するエクソソームという微粒子が、妊娠高血圧腎症の早期発症予測に有効であることを見いだしている。今回の共同研究では、同症を発症した妊婦に特有なエクソソームの数をJVCケンウッドのエクソソーム高精度定量システム「ExoCounter」で計測し、Sysmex R&D Center Europの臨床検査に関する技術・知見と組み合わせる。これにより、同症の発症予測システムの確立に向けて共同研究を推進する。

 妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に高血圧とたんぱく尿を主体としたさまざまな臨床症状を呈し、重症化するとけいれん発作や胎児の発育不良、早産の原因となるなど、母子双方の生命を脅かす疾患である。全世界で妊婦の約5%が発症するとされているが、現在は妊娠期間に関わらず、出産を早める以外に有効な治療法がない。

 一方で、予防薬を妊娠初期(発症前)から内服することで、疾患の発症率を低減できる可能性もある。そのため、予防薬を適切に処方するための発症予測が求められている。