中国Huawei Technologies(ファーウェイ)は2019年6月10日、90カ国以上の公共交通機関や関連企業が加盟するUITP(Union Internationale des Transports Publics、国際公共交通連盟)主催の「UITP Global Public Transport Summit 2019」(2019年6月9~12日、ストックホルム)にて、次世代の鉄道向け無線通信システム「LTE-R」(LTE-Railway)を初公開した(Huaweiのニュースリリース1)。既に中国国内で運用開始しており、鉄道利用客の安全と効率的な輸送を考慮した、高速かつ信頼性の高い通信を提供しているという。

LTE-R Solutionを紹介するHuawei Global Transportationビジネスユニット代表のEman Liu氏
出所:Huawei

 今回のLTE-Rソリューションは、中国Tianjin 712 Communication & Broadcastingとの共同開発によるもので、5Gに向けた機能改善に加え、2G(第2世代移動通信システム)の鉄道用無線通信システムGSM-Rとも相互接続できる。その他、複数回線を共有可能なサービスを使った、音声/映像/データによるミッションクリティカルなプッシュツートーク(Mission Critical Push-to-Talk、MCPTT)や、列車の運行管理、顧客への情報提供、その他サービスを1つのLTE-Rネットワークで提供する。音声通信やデータ通信は、車両内、車両から外部、車両間のいずれも可能。

仮想化技術をフル適用

 同社は今回のサミットで、「Urban Rail Light Cloud Solution」や「5G DIS Solution」といったソリューションも公開している(Huaweiのニュースリリース2)。

 Urban Rail Light Cloudソリューションは、同社の仮想化技術を使って、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、セキュリティーなどのリソースを仮想化する。これらのリソースは、仮想ホスト、仮想ネットワークデバイス、仮想セキュリティデバイスなどを介してアプリケーションシステムに割り当てられる。データセンター機能を統合することで、設備調達の手間を減らし、費用削減にもつながるとしている。また、機能の順応性と柔軟性の高さから、モノレールや路面電車、都市高速交通といった、小・中規模の鉄道輸送機関のクラウド化に貢献できるとしている。

 5G DISソリューションでは、導入、維持管理が容易で、5GとLTEの両方をサポートする無線基地局5G LampSiteを提供。大量の鉄道利用顧客に通信サービス提供すると同時に、乗客の流れの管理やセキュリティーチェック、発券などの業務も効率的にこなすスマートハブとして利用できる。

 この他、パートナー各社と共同で、複数の5G技術を使った最新の無線LAN規格である「Wi-Fi 6」やバスの運行管理システムなど、様々な公共交通機関向けソリューションデモを実施。今後もこれらパートナーとの、5G、クラウド、ビッグデータ、AIを使ったより効率的で高収益、かつ、顧客への充実したサービスを実現するソリューションを提供していきたいとしている。