日本電波工業は、最大95℃での動作が可能な恒温槽付き水晶発振器(OCXO)「NH9070WC/NH9070WD」を開発し、2019年7月にサンプル出荷を開始する(ニュースリリース)。量産は2019年12月に始める予定だ。外形寸法は9.5mm×7.3mm×4.1mmと小さい。第5世代(5G)の無線通信基地局に向ける。

最大95℃での動作が可能な恒温槽付き水晶発振器。日本電波工業の写真
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 同社によると、「5G無線通信ネットワークでは、マクロ基地局を補完する小型基地局を多数設置する必要がある。この小型基地局は、建物の内部や屋外の電柱などの狭いスペースに設置するため、内蔵した電子部品は高密度実装によって温度が上昇し、外部環境変化の影響を受けやすくなる。このため、位相雑音特性が高いと同時に、温度変化の影響を受けづらい良好な温度スロープ特性を備える水晶発振器が求められている」という。そこで今回は、同社がこれまで培ってきたOCXOの高安定、低雑音、耐環境性に関する技術を結集させるとともに、専用のASICを開発することで、+95℃での高温動作と、±0.5ppb/℃の温度スロープ特性を実現した。温度スロープ特性は非常に良好なため、周波数のマイクロジャンプを大幅に軽減できるとしている。

 公称周波数範囲は10M〜40MHz。この周波数範囲の中で、標準品として20MHz品と30.72MHz品を用意した。周波数温度特性は±20ppb。クロック信号の出力形式はHCMOS。電源電圧は+3.3V単一で、消費電力は0.6W(最大値)である。動作温度範囲は−40〜+95℃。価格は明らかにしていない。