総務省は2019年6月11日に有識者会合を開き、携帯電話料金の競争を促すことを目的にした改正電気通信事業法の施行規則に向けた総務省案を示した。焦点となっている「2年縛り」契約の違約金については「上限1000円」、端末の値引き幅を「上限2万円」などとした。

 会合では総務省案の裏付けとなる数字の算定根拠をただす有識者の質問や異論が相次いだ。総務省は2019年6月19日に開催する次回の会合で数字の根拠を補強するとともに、内容を修正するかどうかを含めて総務省案を改めて提案するとした。特に違約金の「上限1000円」は算定根拠を有識者が批判しており、水準や制度設計そのものも見直しが迫られる可能性がある。

 有識者会合は非公開で、会議後に総務省の担当者が原案を記者に説明した。総務省の説明によれば、違約金の上限を1000円とした根拠は、2019年5月末にインターネットを通じて6000人を対象に実施したアンケート調査の結果にあるという。調査対象者には、違約金の金額の選択肢を複数示したうえで、「携帯電話サービスを乗り換えたいときに、どのくらいの違約金なら支払うか」という趣旨で質問した。

 その結果、現状の9500円程度の選択肢など、1000円以上の選択肢を選んだ回答者が全体の8割を超えた。このため総務省は、上限1000円が利用者の流動性を高めるための規制ラインと判断した。

 裏を返すと「1000円未満なら違約金を支払ってでも携帯事業者を乗り換える」とした回答者は2割弱にとどまる。全体平均では1000円以上の違約金を許容しているともいえる。日経コンピュータの取材では、会合ではこうした総務省の算定根拠に対して「とても政策決定に耐えられる統計の扱い方ではない」と批判的な意見が出た。この批判に最終的には同調する構成員は多かったという。