アクセンチュアは2019年6月11日、グローバルにおけるFinTech投資動向の調査結果を発表した。2018年、世界での投資総額は553億ドル(約6兆円)と前年比で2倍に伸長したほか、日本も前年比5倍となる5億4200万ドル(約600億円)と過去最高を記録。2015~2017年はFinTech投資の伸びは鈍化傾向にあったが、再び飛躍的な成長を見せた格好だ。

 「北米は米国、アジアは中国、欧州は英国という3カ国が各地の主なスタートアップ創出の場だったが、2018年は近隣諸国も顕著な伸びを示した」。アクセンチュアの村上隆文戦略コンサルティング本部テクノロジー戦略グループ日本統括マネジング・ディレクターは、こう説明する。村上マネジング・ディレクターが名指しで挙げたのが、日本、ブラジル、カナダ、オーストラリアである。日本は投資件数で10位に浮上。2017年の16位から、大きくランキングを上げた。

アクセンチュアの村上隆文戦略コンサルティング本部テクノロジー戦略グループ日本統括マネジング・ディレクター
[画像のクリックで拡大表示]

 日本におけるFinTech投資件数は63件。「融資」、「保険」、ロボ・アドバイザーを代表とする「ウェルス&アセットマネジメント」がそれぞれ10件を超え、全体に占める割合が高かった。キャッシュレスで沸く「決済」領域が7件で続く。日本のFinTech黎明期は、家計簿アプリなどのPFM(個人資産管理)やクラウド会計サービスの存在感が強かったが、スタートアップ企業の創業分野や資金調達分野が多岐にわたり、裾野が広がってきたとアクセンチュアは分析する。

 アクセンチュアの中野将志常務執行役員金融サービス本部統括本部長は、「ようやく日本も、イノベーションが量産されるステータスに入ってきた。ただし規模で言えば、米国の30分の1、中国の50分の1にとどまるのも事実」と指摘する。FinTech投資の規模を飛躍的に拡大するには、国内だけでなく海外からの投資を呼び込む必要がある。世界に通じる日本発のFinTechサービスを生み出し、存在感を発揮できるかが鍵を握る。