核融合科学研究所は2019年6月10日、核融合条件の1つであるイオン温度で1億2000万度を維持したまま、電子温度を従来の1.5倍となる6400万度に上昇させたプラズマの生成に成功したと発表した。将来の核融合炉の実現に、「大きく前進した」(同研究所)という。

核融合科学研究所の実験装置
大型ヘリカル装置(LHD)の実験室内部。中心の丸い部分がLHD本体。(出所:核融合科学研究所)
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 核融合発電は、現行の原子力発電に比べて安全で、燃料が無尽蔵に近い。実用化すれば原子力発電を置き換え、化石燃料がいらなくなるとの期待がある“夢のエネルギー”だ。

 核融合発電を実現するには、1億度以上に達する超高温のプラズマを強力な磁場で閉じ込めて維持する必要がある。プラズマは、分子が電離してイオンと電子に分かれて運動している状態。核融合科学研究所はかねて、イオン温度は1億度超を達成していたものの、電子温度は4200万度と低い値にとどまっていた。

目指すはイオンと電子でともに1億度超
LHDで生成されたプラズマのイオン温度と電子温度の領域。(出所:核融合科学研究所)
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