豊田通商と100%子会社の豊通物流(本社名古屋市)は、RFIDを活用した入出庫・棚卸しシステムを豊通物流の第2三好センター(愛知県みよし市)に試験導入した(ニュースリリース)。同センターは、自動車部品の入出庫と棚卸しに利用し、業務の効率化を図るとともに、グローバル展開に向けた課題と改善点の洗い出しを進める。

 同システムを運用する際は、倉庫への部品の搬入時に各梱包箱にRFタグ(ICタグ)を貼付しておく。入出庫や棚卸しの作業ごとに、貼付したタグを読み取る。読み取り結果と、入庫予定リストや在庫リスト、出荷予定リストを照合することで、作業の効率と精度を高められる。棚卸しにかかる時間は従来の1/8に縮められるという。

 一般に、自動車部品は材質と形状の種類が多様な上に金属製である場合が多いため、電波の乱反射や金属による電波干渉が原因でRFIDの読み取り精度が低下するという課題があった。豊田通商は、2年間にわたって検証を実施し、これらの課題を解決。入出庫時のRFタグ読み取りシステムと、自動搬送車(Automatic Guided Vehicle:AGV)にRFタグの読み取り装置を一体化させた「棚卸用AGVシステム」を製作し、第2三好センターへ導入した。

 棚卸用AGVシステムは高さ6mの倉庫棚にあるRFタグも自動で読み取るため、高い位置にある製品を床面に降ろす必要がない。従来、倉庫棚の高い位置に保管されている製品の実査棚卸しは、フォークリフトなどで床面に製品を降ろして作業し、再び棚に戻さなければならなかった。棚卸用AGVシステムによって作業の手間が減るため、棚卸しの実施頻度も増やせる。

 豊田通商は海外の各物流拠点との連携も視野に、インドネシアの豊田通商ロジスティックセンター(TOYOTA TSUSHO LOGISTIC CENTER)でもRFID導入プロジェクトを立ち上げた。これを皮切りに今後、複数の海外拠点で同様のプロジェクトを推進する計画。新システムの本格稼働によってサプライチェーン上の物流をリアルタイムに可視化し、物流の最適化と新たなサービスの創出を目指す。