携帯電話向け半導体大手の米クアルコム(Qualcomm)は2019年5月24日、東京都内で第5世代移動通信システム(5G)への取り組みに関する報道陣向け説明会を開いた。5Gの技術開発を統括するドゥルガ・マラーディシニアバイスプレジデントは「我々は5Gの技術的な課題をひとつひとつ解決して実用化にこぎつけた。5Gによる変化は企業の業務を含めたあらゆる分野に及ぶ」と語った。

米クアルコムで5Gの技術開発を統括するドゥルガ・マラーディ シニアバイスプレジデント
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 同社内で無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイントと5Gの屋内向け簡易基地局を併設する実証実験をしたところ、社内の多くの場所で5ギガビット毎秒という通信速度が出たという。「高速通信を生かせば、高精細な映像コンテンツを含むあらゆるデータをクラウド上に置いて、必要な時にワイヤレスで引き出す使い方ができる」(マラーディシニアバイスプレジデント)。

社内で高速5Gネットワークを利用する場合の用途例
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 例えば複数の拠点にいる従業員がAR(拡張現実)グラスを装着し、あたかも同じ場所にいるかのように作業する未来像を示した。5Gを使えば高度な画像処理をクラウド側に委ねられるため、ARグラス本体の小型軽量化を図れるという。

 同社は米連邦取引委員会(FTC)から半導体の取引を巡って市場の競争を阻害したとして提訴されており、米国の地方裁判所はクアルコムに是正を命じる判決を2019年5月22日(現地時間)までに出した。クアルコムは同日「判決に強く反対する」という声明を出している。報道陣からこの件について質問が出たが、マラーディシニアバイスプレジデントは「声明以上はコメントできない」とした。