理化学研究所は2019年5月23日、「京」の後継となるスーパーコンピューターの名称を「富岳(ふがく)」に決定したと発表した。英語名は「Supercomputer "Fugaku"」となる。理研の松本紘理事長は「創薬、防災、産業競争力、先端科学、さまざまなシミュレーションに新スパコンが活躍するだろう」と語った。

「令和スタイル」で新名称を発表した理化学研究所の松本紘理事長
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 富岳は富士山の異名。スパコンの性能の「高さ」やアプリケーション分野・ユーザー層などすそ野の「広がり」を表現できる点に加え、富士山の国際的な知名度の高さ、スイスの「Piz Daint」や米国の「Sierra」など海外のスパコンで山の名前を使う例が多い点などが選定の理由という。

 理研は2019年2月から4月にかけてポスト京の名称を公募していた。「京」当時の2.5倍、5122件以上の応募があったという。重複分を除いた2487件からポスト「京」ネーミング委員会が候補を選定し、理研理事会議で決定した。他の選定候補は「穹(きゅう)」「叡(えい)」「Yukawa(ゆかわ)」「凌駕(りょうが)」「光明(こうみょう)」「解(かい)」。

 新スパコンは2014年から開発を始め、2018年末から製造に着手していた。想定する演算性能は倍精度で400ペタFLOPS(1秒当たりの浮動小数点演算回数)前後の見込みで、京の約40倍となる。精度を単精度、半精度に落とすことでFLOPS数をエクサ級に高められるという。アプリケーション実行性能で京の100倍を目指す。「汎用CPUを使ったスパコンとしては世界1位の省電力性能を発揮できる見通し」(理研計算科学研究センターの松岡聡センター長)。総額で最大1100億円の国費を投じ、2021年から供用を始める予定だ。