佐々木化学薬品(本社京都市)は京都市産業技術研究所と共同で、工具鋼や金型鋼にコーティングしたクロム(Cr)系硬質皮膜を除去する液剤「エスツールCH-20T」を開発した(ニュースリリース)。約5分で1μmと、従来品に比べて除膜速度を高めたのが特徴。摩耗して寿命に達した切削工具や金型を再研磨する際の皮膜の付け直しに利用できる。

図:除膜前の工具(左)と「エスツールCH-20T」でCr系硬質皮膜を除去した工具(右)
(出所:佐々木化学薬品)
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 15~30℃の常温浸漬によって除膜できる。チタン(Ti)系硬質皮膜には作用せず、Cr系硬質皮膜、すなわちCrNやCrAlN、CrSiN、CrAlSiN、CrSiBなどを選択的に取り除く。適用可能な母材は、ハイス鋼のSKH51とダイス鋼のSKD11、SKD61。

 従来の除膜液は、厚さ1μmの皮膜を除去するのに約1時間かかり、処理時間を短縮するには薬液を加温しなければならなかったが、開発品により作業効率が向上する。水質汚濁防止法の規制対象物質に指定されているシアン化合物を配合せず、毒物・劇物及び危険物に該当しないため、保管も容易だ。

 併せて、防錆剤「エスダイヤFE-20T」も開発した。前処理剤として使えば、母材の酸化や孔食(局部腐食)を抑えられる。