CRM(顧客関係管理)クラウドサービス大手のセールスフォース・ドットコムは2019年5月21日、国内スタートアップ企業のアプリケーション開発を支援する「Herokuスタートアッププログラム」を同日から始めたと発表した。アプリの運用環境や保守サービスを提供するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Heroku」を、対象となるスタートアップ企業に対して、1年間有効の5万ドル分の専用クレジットと共に提供する。

 Herokuはアプリの動作環境を管理する仮想化技術「コンテナ」やデータベース、セキュリティー管理サービスのほか、他社が提供する認証やログイン関連のサービスなどを使える。スタートアップ企業はHerokuを使ってアプリの運用・保守環境を整えることで、アプリ開発といった本業に専念できるとする。5万ドル分のクレジットに関してセールスフォースの永野智Heroku執行役員営業本部本部長は「アプリを本番環境で稼働させるのに十分なHerokuのサービスを購入できる」と話す。

「Herokuスタートアッププログラム」で利用できるHerokuのサービス
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セールスフォース・ドットコムの永野智執行役員Heroku営業本部本部長
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 プログラムの対象となるスタートアップ企業は特定のベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップ支援プログラムから支援を受けている企業。VCやスタートアップ支援プログラムにはCoral Capital(旧500 Startups Japan)や東京大学 FoundXなどが該当する。

 セールスフォースはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を手掛ける日本のスタートアップを継続的に支援している。2018年12月には米本社の投資部門であるセールスフォース・ベンチャーズが1億ドルのスタートアップ支援ファンド「Japan Trailblazer Fund」を設立。セールスフォース・ベンチャーズ日本代表を務めるセールスフォースの浅田慎二常務執行役員は「SaaSを提供する企業に対する欧米と日本における投資の温度差を感じている」としたうえで、「日本市場の成長率や成長スピードは欧米に負けていない。今後も市場は拡大するだろう」と話した。

セールスフォース・ドットコムの浅田慎二常務執行役員セールスフォース・ベンチャーズ日本代表
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