消費増税に合わせて実施するキャッシュレス決済への消費者還元事業の運営を国から受託しているキャッシュレス推進協議会は2019年5月17日、決済事業者向けの説明会を開催した。5月20日には大阪市内でも開き、全国10都市で開催する予定。国は「脱キャッシュレス後進国」を掲げ、本事業に累計2798億円の予算を計上済みだ。その恩恵に浴そうと参画事業者の応募やシステムの導入準備がいよいよ始動する。

 同日開催した説明会は、決済システムの提供事業者をはじめ、決済端末の供給など加盟店向け支援事業者に向けたもの。協議会の説明者は、本事業の特徴が「国が新たにポイント制度を作るのではなく、決済事業者のポイントシステムに補助金を投じて消費者に還元する」点にあると説明。消費者への還元状況を日々把握するため、原則として日次で決済データを報告するシステム連携を求めた。ポイント還元額の見通しや失効の見込み額など、必要な補助金を見積もるために必要な予測を事前に事業者に提出させる。

決済事業者向けの注意点を説明したキャッシュレス推進協議会の担当者。「現金還元」や「キャッシュバック」などの表現は誤解を招くため、使わないことを求めた
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 事業は2020年6月までの予定。担当する世耕弘成経済産業大臣の国会答弁によると、予算2798億円のうち、消費者向けの還元分は現時点で1786億円と見込む。ただし消費者向け還元に回す配分などは決済データの動向などを見て調整する可能性もあり、国はリアルタイムで決済実績を把握し見通しを予測したい考えだ。

 還元方法や消費者への告知方法も説明した。還元も現金は使わずポイントや口座、ウォレット残高への補充などキャッシュレスで行うことを求め、「現金還元」「キャッシュバック」といった消費者への告知を禁じた。さらに決済事業者が独自に行う還元キャンペーンと組み合わせる場合は、両者を分離して表記したあとで合計の還元率を示すよう求めた。

決済事業者のキャンペーンと組み合わせる場合は明示的に両者の還元率を分けたうえで合計の還元率を示すべきだとした
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 例えば、国による還元率は中小店舗で5%だが、決済事業者が独自に5%還元のキャンペーンを展開する場合、明示的に国による5%と事業者による5%を分けて示したうえで「合計10%」と表記すべきだとした。現在、激しい競争を繰り広げるQRコード決済事業者などが、国の消費者還元事業に乗る形で、今秋に再び独自の還元キャンペーンを繰り広げる可能性が出てきそうだ。