英アーム(Arm)は、IoT端末向けの新たなテストチップ「Musca-S1」を「Samsung Foundry Forum 2019」(米国カリフォルニア州サンタクララで2019年5月14日に開催)において公開した(ニュースリリース)。韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の28nm FD-SOIプロセスで製造したチップである。

 ArmはこれまでにIoT端末向けテストチップ「Musca-A1」と「Musca-B1」を開発し、それぞれのチップを搭載した評価ボードを提供してきた(関連ページ)。これらは台湾TSMCの40nmプロセスで製造され、フラッシュメモリーを埋め込んでいた。今回のMusca-S1はSamsungの28nm FD-SOIプロセスで製造し、MRAMを埋め込む(関連記事)。Armは今回のテストチップによって、ボディーバイアス技術による低消費電力の効果や、フラッシュメモリーに対するMRAMの優位性を実際のチップで評価できるとしている。

 Musca-S1のCPUコアは、Musca-A1やMusca-B1と同じく「Arm Cortex-M33」である。このテストチップは同社の複数のセキュリティー技術を使って、同社のセキュリティー基準「PSA Certified Level 1」を満たしている。使ったセキュリティー技術は、「CryptoCell-300ファミリー」「Coresight」「TrustZone」「Trusted Firmware-M(TF-M)」「Corstone-200」などである。ハードウエア設計の検証には、「Keil MDK」や「ULINK-Plus」を使ったとする。今回のテストチップでは「Mbed OS」が稼働し、「Pelion IoTプラットフォーム」を利用したデータ管理が行える。

 今回のテストチップの開発でArmは、Samsungと米ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)、英Sondrelと手を組んだ。Samsung Foundry Forumでは、テストチップを載せた開発ボードを使ってデモンストレーションを行ったという。Musca-S1のテストチップおよびそれを載せた評価ボードの提供は、2019年第3四半期から数量限定で始める。2019年第4四半期は世界での提供を始める予定である。