ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は2019年5月9日に開いた決算説明会で、AI(人工知能)など先端技術ベンチャーに投資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の第2号を近い時期に立ち上げることを明らかにした。規模や時期、構成などはこれから詰めるが、およそ10兆円を投じたSVFと「同じ規模で作る」(孫会長)。

 ソフトバンクが同日に発表した2019年3月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前期比80.5%増の2兆3539億円、純利益が同35.8%増の1兆4112億円という好決算だった。孫会長は決算説明会で、このうちSVFが稼ぎ出したのは営業利益ベースで1兆2566億円に達し、増益分がほぼSVFの貢献だったと説明。SVFに出資した投資家のうち成果型分配を受ける普通出資分のIRR(内部収益率)が45%に達するなど、高い収益率を上げている状況も報告した。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの状況を説明する孫正義会長兼社長
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 2号ファンドはこの成功を受けて、SVFと同様にAIなどの先端技術をさまざまな事業領域に応用しようとする技術ベンチャーに投資するという。まずソフトバンクグループが全額出資で早い時期に立ち上げ、順次出資者を募るとした。詳細は改めて発表する。

 SVFは2017年に発足し、現在の出資先は82社に達する。英アーム(Arm)などAIやIoTを支える基盤技術企業のほか、自動運転の米ブレイン(Brain)、AI活用の医療・医薬品を手掛ける米ガーダントヘルス(Guardant Health)やスイスのロイバントサイエンシズ(Roivant Sciences)など、さまざまな分野でAIを活用するベンチャーが中心。

 特にシェアリングエコノミーの分野は出資額が大きく、中国の滴滴出行(Didi Chuxing)や米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)、シンガポールのグラブ(Grab)、シェアオフィスの米ウィーワーク(WeWork)などにそれぞれ数十億ドル規模を出資する。